短編集

□ブレイブマン
1ページ/22ページ

俺はマンガを描く事を仕事にしている。
今では連載を何本も描いており、メディア化作品もある。マンガ界の革命児とまで呼ばれているくらいだ。
そんな俺だがファンレターには必ず目を通し、巻末には書き下ろしを毎回入れる。

今の生活にはそれなりに満足している。
しかしたまに、遠くの何かが俺を呼ぶ。話し掛けてくる。
俺の描きたい話は、こんなもんじゃないと。

ずっと前から呼ばれている気がするのに、未だ応えることが出来ずにいる。

だからただひたすら無心で描く、描く。
表現に自由なんか無い。流行やファンの欲求のテンプレート。

やりたい事をやって生きていけるのだから、これで十分なのだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ