So Fine 1

□14話
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テミンside


ベットに座ってボーっとしていた。



ミッションとしてオニュヒョンの部屋で寝ている名前さんは、
事務所に頼まれて、“仕事として”僕らと一緒に住んでいるんだと
嫌でも思い知らされているような気がしていた。



ミッションを楽しみにしていた朝の自分の甘さに、今頃気付く。


名前さんと一緒にいるのは僕だけじゃない。


僕ら5人に、平等に笑顔を向けてくれる名前さんは、
僕だけの名前さんじゃない。


そんなの分かりきっていたはずなのに、きっかけになった僕たち二人は特別なんだと思ってた。

思い上がっていたんだ。





隣の部屋で眠っているオニュヒョンと名前さんの姿がぐるぐると頭に巡る。


考えないようにと思いながらも言うことを聞かない自分の頭に苦い顔をしながら、僕はベットに寝転がった。




---pipipipipi

そんな時どこからか携帯の着信音が聞こえた。


放り投げていたリュックに腕を突っ込み携帯を取り出す。







彼女からの着信だった。



他の人のことを考えていたことへの後ろめたさを隠すように、通話ボタンを押す。



『……もしもし?テミナ?』


今まで彼女の声を聞く度に安心感を感じていたのに、今は何故か
気まずい。



テミン「あぁ…。ソヨン。。」


『ごめん、今大丈夫? 仕事中?』

「いや、家に帰ったよ。…ソヨン、最近電話できなくてごめんね。」

『ううん、大丈夫。今仕事忙しいんだもんね? …ふふっ、こんなのいつもだよ。慣れっこだよ。』


少しお互いの近況を話した。
僕は名前さんとの共同生活は話さないままだった。



彼女はたいした用事はなくて声が聞きたかっただけだと、電話を切った。

きっと僕の力無い声に、疲れていると思い気を遣ってくれたんだろう。




日本ツアーが終わったら会いに行くという約束もまだ果たせてない。





「ハァー。」

再びベットに寝転がりため息をつく。

しばらく、天井を見つめたり、目を閉じたりしていた。

何もする気にはなれなかった。





(のど乾いたな。。)

重い体を無理矢理起こし、リビングに水を飲みに行くことにした。










部屋のドアを開け、キッチンの方に視線を向けた途端、

体が固まる。



そこに居たのはジョンヒョニヒョンだけではなかった。




椅子に座った名前さんの後ろ姿






顔の位置に重なるジョンヒョニヒョン。


二人の顔の位置は、どんなに離れた場所から見ても
どういう状況なのか分かる。









ジョンヒョニヒョンと名前さんは

キスをしていた。










目に入るその光景に、立ち尽くす。





動く様子のない名前さんは、きっと
抵抗するつもりは無いんだ。











何がきっかけだったのか、体がやっと動くようになった僕は、体を引くとすぐにドアを閉めた。



ジョンヒョニヒョンといる名前さんを見る度に、不安に似たイラつきを感じていた理由を、今やっと理解した。




僕は

名前さんが

好きなんだ。




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