So Fine 2
□49話
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ベットの揺れに、気怠い体をそのままに重い瞼を開ける。
ベットに腰掛けていたテミンは立ち上がり、履きかけのズボンを上げる。
カーテンの隙間からは明るい日差しが漏れている。
その明るさに、布団で隠されていても何も着けていない体が恥ずかしくなり、
掛かっている布団を引き上げる。
顔を隠すように縮まって目だけを出し、隠れる。
床に投げられたTシャツを拾いながら、
私の動く音に気付いたテミンが、こちらに目を向け、優しく微笑む。
テミン「おはよ」
名前「おはよ…」
Tシャツを手に持ち上半身裸のまま近付いてくるテミンは、
ベットに片手を着き、私のおでこにチュッと音をたて軽くキスを落とす。
テミン「ちょっと寄らなきゃいけない所あるから、行くね。」
名前「……うん」
優しい微笑みを浮かべたままのテミンに、同じ場所にもう一度キスを落とされる。
テミン「待っててね、お土産持って帰るから。」
目の前の顔を近付けたテミンを目に焼き付けるように、
瞬きさえももったいなく、テミンから視線を外せなかった。
名前「……うん」
私の頭をクシャクシャっと撫でると、テミンは立ち上がり背を向けて歩いていく。
ドアの前でもう一度振り返ったテミンに、フッと笑みがこぼれる。
頬を上げて笑いかけてくれる笑顔を、
最後に見られて良かった。
口元を隠す布団で聞こえないように、私は小さく呟いた。
「テミン…バイバイ………」
部屋を出たテミンが閉まっていくドアに消えていく。
------バタン
その音を合図に、
せきを切ったように涙が一気に溢れてくる。
頭までかぶった布団の中で声を殺し、小さく震える体を丸め入れる。
誰にも気付かれないように、この小さな空間から漏れ出さないように。。
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