So Fine 2

□29話
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 ジョンヒョンside



テミンがヌナの部屋に入ってからというもの、急に時間の流れが遅くなった。


たかが数分しか経ってなくても、
俺には、何十倍にも感じる。




こんなにまで動揺してる自分に慣れてない。

どうしていいか分からず、落ち着き無くその場をウロウロ歩いていた。






誰かがヌナの部屋に入るのも、もちろん気分のいいもんじゃないけど

…ギリギリ許せる。



でも、
こんなにイライラして嫌な気持ちになるのは、

テミンだけだ。









あの日、テミンは間違いなくヌナの所に行っていた。




今も中で何してんだよ。

ヌナ、テミンに流されたりしてないよな?

俺のこと…必要としてくれてたんだよな?







落ち着こうと、ソファに座り部屋に背を向ける。


携帯を手に持ち、いつものように操作した所で、
目に入る文字も言葉も、何も頭に入ってこない。






なんでテミンなんだよ。

なんであいつと一人の女取り合わなきゃいけないんだよ…。



テミンが欲しがった服も鞄も、今までは何でも渡してやってた。




…でも、
名前だけは何があっても譲れない。










ドアが開く音が聞こえた。

俺の後ろにどちらかが近づいてきた。




テミン「おはよう、ジョンヒョニヒョン。」


テミンのさわやかな声は、今の俺には腹立たしいだけだ。


ムカついて無視していると、今度はヌナの声が聞こえた。




俺の気も知らないで、暢気なヌナにも腹が立つ。



振り向いて睨んでやった。









俺がどれだけ会いたかったか、分かってんのかよ。。




どんなに腹が立っても

どんなに俺の気持ちを分かってくれなくても、





…悔しくなるほど

俺は名前が好きだ。











隣にテミンが居ようが関係ない。




俺に心配かけた事怒ってんだからな。






怒ったままヌナを抱きしめる。

小さな体に顔を埋めると、愛しいヌナの匂いがする。







なんでこんなに俺を狂わせるんだよ。。







「…名前。」


俺には名前だけなんだ。

…頼むから俺だけを見てくれよ。









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