So Fine 2

□31話
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テミンの部屋から出てリビングを通るとき、手のひらがジンジン痛んだ。


見ると爪の跡が残ってうっすら血が滲んでいた。




感情がすぐ涙になってしまう私は、テミンの前で泣かないよう我慢していた。




自分の部屋に戻って、救急袋から絆創膏を取り出し貼ろうとするけど、
片手じゃどうしても上手く貼れない。


ほんと不器用すぎて情けない。



たいした傷ではないから貼らなくてもいいけど、
何かを触った時、血が付かないようにガードしておきたい。




絆創膏を持ってキボムの部屋に行く。


キー「どうしたの?」

名前「ごめん、これ貼ってくれない?上手く貼れなくて。。」


ドアの前でキボムに絆創膏と手のひらを差し出す。

キー「あぁ、いいよ。何この傷。

………。

はい、できた。」



さすが。
キボムは器用にパパッと貼ってくれた。


名前「ありがとう。助かりました。」

キー「ちょっと待って!」


部屋に戻ろうとした私の手首を掴んで、絆創膏を貼った手のひらを見ていた。


キー「もしかして…爪?
ヌナ自分でやったの!?なんでこんな事するの!」


名前「違うよ!わざとやったんじゃないよ!
…泣くの我慢してたらこんなことになってたの。
痛くないんだけど、血が付いたらいけないから。」


キボムは呆れた様子で私を見ていた。

情けなくて、あははっと笑って見せるしかなかった。



私の頭をなでながら優しい声でキボムが話す。


キー「ちゃんとテミンに話したんだ。辛かったよね。
でもヌナが自分で決めたことなんだから頑張るんだよ。
ジョンヒョニヒョンの前でも泣けない時は僕の所においで。ね?」


大きく頷きながら、
キボムの優しさに、張りつめていた糸が切れたように、今まで我慢していた涙が溢れてきた。





その時、ちょうどジンギが帰ってきた。

私たちを見た途端、驚いた顔をしてピタッと足を止めた。


オニュ「…キボム。。もしかして泣かせたの?」




勘違いしてるジンギも、必死で弁解してるキボムも
この状況がおかしくって温かくって、

私は泣きながら笑っていた。







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