So Fine 2
□34話
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強い風で部屋の窓がガタガタ揺れている。
こんな強い風の中、みんなステージ大丈夫だったかなぁ。。
ニュースを見ながらみんなの帰りを待っていた。
待っている間、ミノと一緒に居るマネージャーさんから電話があった。
どうやら今日ミノは撮影現場の近くのホテルに泊まるらしい。
こんな天気だからしょうがないか。。
思いの外ステージ組の帰宅は早かった。
キー「きゃーはっはっは。テミナ髪に葉っぱ付いてるぅ」
テミン「えー!?取ってよ!」
ギャーギャー騒ぎながら帰ってきた所を見ると、
怪我もなくステージが終わったんだとホッとした。
名前「おかえり、お疲れ様♪」
顔を出すとすぐ、ジョンヒョンの姿がないことに気付いた。
キー「わぁ、ジョンヒョニヒョン探してる人がいる〜。」
キボムがニヤニヤしながら見てくる。
名前「探してるわけじゃないよ!
居ないな、どうしたのかなって思っただけだよ!」
リビングへの入り口に立っている私の横を通りながら、ジンギが教えてくれた。
オニュ「ヌナただいま。
ジョンヒョン仕事が入っちゃってちょっと遅くなるんだ。」
名前「そっか…。」
キー「ちょっと、僕らの前であからさまに落ち込むのやめてよー。」
名前「落ち込んでないって!」
やたら絡んでくるくせに、キボムは鼻でフッと笑ってさっさとリビングに入って行った。
名前「ん〜〜っ!!!(怒)」
テミン「名前さん、ただいま。
…ジョンヒョニヒョン居なくて寂しい?」
テミンが少し悲しそうな顔で聞いてくる。
名前「そんなことないよ。こんな天気だったから、ジョンヒョンだけじゃなくてみんなの元気な顔が見たかったの。」
テミン「そっか。」
そう言って優しく笑うテミンと一緒に、私はリビングに戻った。
お腹が空いたと騒ぐ3人と一緒に夕食を食べた。
よく喋るジョンヒョンが居ないだけで、食卓はずっと静かに感じる。
ジンギとキボムは食事が終われば自分たちの部屋に戻ってしまったので、
残ったテミンが一緒にお皿を洗ってくれていた。
まだ泡がついてるお皿を置いたテミンに文句言ったり、油が取れてないと文句言われたり、
テミンと過ごす時間はゆっくりと温かな気持ちになる。
テミン「痛っ!」
急にテミンの声が響いて驚いた。
名前「どうしたの!?」
テミンは顔の横で濡れた手を開いて痛がっている。
名前「もしかして耳触ったの?」
前から気になっていたけど、テミンはよく耳を触っていた。
最近開けたピアスホールが気になって触っているのは気付いてたけど、
ここ最近、特に赤く腫れていた。
きっと濡れた手で、いつもみたいに触ってしまったんだ。
名前「見せて」
私が背伸びしてもテミンの耳に顔が届かない。
それに気付いたテミンは少し屈んで、顔を私の顔の高さまで持ってきてくれた。
名前「消毒してる?真っ赤に腫れてるし、膿んじゃってるよ。。
待ってて、薬持ってくるから。」
そのままテミンを待たせて、自分の部屋に消毒薬を取りに行った。
戻るとテミンは椅子に座って待っていた。
私は屈んでテミンの耳に近づいた。
消毒をする間、膝の上で拳を握り、
痛みで顔が歪むテミンを間近で見て、ふと思った。
こんなにテミンに近づいたの、ソファでキスして以来かなぁ。。
綺麗な白い肌も、こんなに近づかないと分からないくらい小さなニキビ跡も、
ほんの数日の間で私が失ったものが、そこにはあった。
パッとこっちを見上げたテミンと目が合った。
名前「あっ…。」
急いで目を逸らして立ち上がり、
一歩下がってテミンから離れた。
耳じゃなくて顔を見てたのが明らかにバレてる。。
自分で顔が真っ赤になるのが分かる。
テミン「……。 ありがとう。」
小さくそう言うと、テミンは自分の部屋に行ってしまった。
名前「あ"ーーーーー。」
私は頭を抱えてしゃがんだ。
…ほんと何やってんだ。。
決めたのは自分なのに。
手の平に貼った絆創膏の下がジンジン痛む。
胸が締め付けられるこんな痛みは、いつまで続くんだろう。
いつになったら自分を許せるんだろう。。
いっそ、テミンとの記憶が全て消えてしまえばいいのに。
…この思いと一緒に。。
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