So Fine 2
□37話
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<共同生活20日目>
目を覚ますと、もうミノが家を出る時間になっていた。
玄関に走って行くと、ちょうど靴を履いているミノの後ろ姿が見えた。
名前「ごめんっ!!寝坊した!!」
ミノ「ヌナ。」
振り返って優しい笑顔で答えてくれる。
ミノ「おはようございます。寝ててよかったのに。」
濃いクマや血色の悪い顔色。
ミノの顔には疲れが滲み出ていた。
メンバーを起こさないように静かに支度をし、こうやって私のことまで気遣ってくれる。
そんなミノになんて声をかけたらいいのか考えていた。
言葉を探しているうちに、靴を履き終えたミノは玄関のドアを開けていた。
ミノ「じゃ、いってきます。」
名前「あ…うん。無理しないようにね、ちゃんとご飯食べてね。」
ミノ「フフッ。ヌナお母さんみたい。」
目を下げて大きな口で笑うミノはやっぱり可愛い。
私の方が元気を貰ってしまった。
名前「いってらっしゃい!!」
起きてきたジンギはリビングを通り、そのままテミンの様子を見に部屋に入っていった。
しばらくすると、ジンギが電話をしながらリビングに戻ってきた。
オニュ「……はい、分かりました。名前さんに頼んでおきます。……はい。」
電話を切るとジンギは私の方に近付いた。
オニュ「テミンまだ熱が高いんだ。今日は仕事休ませるから看病お願いしていいかな?」
名前「うん、任せといて。」
その後すぐキボムも起きてくると、私は二人の朝食を並べ、
テミンの部屋にお粥を持って行った。
ドアをノックし テミン入るよ〜 と声をかけながらドアを開けた。
テミンは目だけ出して布団をかぶっていた。
ベットから虚ろな目がこっちに向く。
名前「具合はどう?よく眠れた?」
テミンはゆっくり頷く。
前髪をそっとかき上げ、おでこを触ると私の手よりずっと熱かった。
テミンは目線を私から外すこともなく、ずっと私を目で追う。
いつもだったら、ドキドキしてしまいそうなものだけど、
今の力無いテミンの目は、私に看病という使命感をかき立てるだけだった。
名前「お粥食べて薬飲もう?食べられる?」
だんだんテミンの眉毛がハの字になっていく。
名前「じゃあ、少しずつにしよう?お腹に入れないと。ね?」
テミンは眉毛を下げたまま頷き、布団を下げると乾燥した血色の悪い唇が見えた。
私はお粥をスプーンに少しだけすくい、冷ましてからテミンの開けた口に入れた。
途中途中で水を飲ませながら、お茶碗1杯のお粥を30分かけてゆっくりテミンの口に運んで行く。
食べさせている間、ジンギとキボムを迎えに来たマネージャーさんが、様子を見に来た。
大丈夫?という言葉に、テミンは力無く頷いて、
3人は私にお願いしますと言ってから家を出て行った。
薬を飲ませ、濡れたタオルをテミンのおでこに乗せると、テミンは目を閉じ眠りについた。
リビングに戻りいつもの家事をこなしながら、時々テミンの部屋を覗き様子を見ていた。
テミンはぐっすり眠っていた。
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