So Fine 2

□40話
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<共同生活22日目>


  テミンside


「…おい、…おい、テミナ。」


肩を揺すられ、耳元で聞こえるミノヒョンの声。


重たい瞼を必死で開けると、ミノヒョンが険しい顔で僕を見ていた。

テミン「ヒョン、おはよ。」

ミノ「お前、おはよじゃないだろ!コレ!コレどうしたんだよ!?」



僕のお腹の方を指さしてヒョンが言う“コレ”とは名前さんの事だろう。

テミン「フフッ可愛いでしょ。」



僕の胸に頭を乗せ、うつ伏せで眠っている名前さんは、
まるで 《 離れないで 》 と僕にしがみついているようで、
それが嬉しくて可愛くて顔がニヤけてしまう。




ミノ「可愛いとかそういう事じゃなくて。
何でこんなことになって…こう…ほら!…一緒に…ヌナと…ほら、こんな格好で…一緒に……」


慌てているヒョンを見ているのは面白かったけど、そんな時のヒョンの声は大きくて、
このままじゃ名前さんを起こしてしまいそうだった。


テミン「名前さんジョンヒョニヒョンと別れたんだ。
元気なくてね、少しでも力になりたくて一緒に居たら寝ちゃっただけだよ。」


納得したのかしていないのか、ミノヒョンは厳しい顔で眉間にシワをよせていた。


ミノ「…もうすぐマネージャーが来るから隠れてろよ。俺が部屋の中には入れないようにするから。」


そう言うと急いで着替え始めた。



(隠れろって……どうやって??)



ミノヒョンの不器用な優しさにフッと笑みがこぼれ、胸が温かくなった。



ミノヒョンは着替え終わると、バタバタと洗面所とリビングを行ったり来たりしている。


その後も通る度にチラチラ見てくる。


(ヒョン、気になって仕方ないんだ。)



支度をしているのかと思いきや、
ふと、こっちに近寄ってきた。

ミノ「ねぇ、…人が上に乗ってて苦しくない?」


テミン「重たいよ。でも…嬉しい。」



ヒョンは、優しく笑ってふーんと頷いて離れて行った。






出かける準備が整ったミノヒョンが声をかけてくる。

ミノ「じゃあ、いってきます。」

テミン「うん、いってらっしゃい。」





ドアが閉まり、静かになったリビング。


ここからは頭しか見えないけど、それでも僕に体を預けて静かに眠っている名前さんの全てが、存在が可愛くてしょうがない。


愛おしくて嬉しくて、名前さんが居るってだけでこんなに幸せになる。



髪を撫でながら、声には出さず何度も名前を呼ぶ。




名前。

名前。

大好きだよ、名前。



心地良いこの場所で、僕は再び目を閉じ眠りについた。










寝返りをうちながら頭が覚めた。

違和感を感じ、
重たかった瞼は、慌てた途端不思議とすぐに開けることができた。


自分の胸に視線を落とす。

空っぽの空間は夢の終わりを告げていた。




頭を上げ、部屋を見渡して名前さんを探す。


すぐにキッチンに立つ名前さんの後ろ姿を見つけた。

服は着替えられ、いつも通りの名前さんがそこにいた。。




体を起こすと、音と気配で気付いたのか、名前さんがこっちに振り向いた。



名前「おはよ、テミン。
…昨日はごめんね。。それと…ありがとう。」


テミン「ううん。僕の胸で良かったらいつでも枕にしてね。」





毎晩でもいいよ。


僕が君を抱きしめて眠りたいんだ。。




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