So Fine 2
□41話
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忙しいB1A4の空き時間はなかなか見つからず、
彼らの楽屋を出たのは予定の時間より2時間も経っていた。
テミン「あっ!」
通路に出ると、遠くから駆け寄ってくるテミンに気付いた。
テミン「名前さん、お疲れさま♪」
いつも見る姿とは違い、ステージ用のメイクと衣装で近付くテミンに、心臓が跳ね上がった。
名前「…お、遅くなってごめんね。」
テミン「ううん。
ぼくら今から本番なんだ。楽屋で待っててくれる?」
名前「うん…わかった。」
テミンの斜め後ろを付いて歩いていく。
ジョンヒョンの言葉を聞いてから、妙に意識してしまい、
自然とテミンの方に目がいってしまう。
テミンは歩きながら顔をこっちに振り向かせた。
驚いて、私はすぐさま目を逸らす。
テミンは私の足下を見ると、歩みを遅らせた。
私が隣に並ぶと、ニコッと笑いかけ、
私の歩く早さに合わせてくれた。
そのうち、向かいから人が歩いて来ていることに気付いた。
手帳を見ながら足早に歩くその人は、私たちに気付いていないようだった。
近付くにつれ、私はすれ違えるようにテミンの方に少し寄った。
それでもぶつかってしまうんじゃないかと思う程、真ん中を歩くその人は、そのまま向かってくる。
しょうがなく、ぶつからないように、私はテミンの後ろを歩こうとした。
その瞬間、テミンの腕が私の背中にまわり、体が引き寄せられた。
すれ違う瞬間、私の腕にまで伸びたテミン手にグッと力が入り、さらに体を引き寄せられる。
そのお陰でぶつからずに済むと、
私を掴んでいた手は緩められ、テミンは優しく私に向かって微笑みかけてくれた。
私は緊張ですぐさま体を離した。
少し驚いた顔で私を見るテミンに
名前「あ、ありがと…」
お礼を言って顔を下げて歩いた。
恥ずかしさと緊張と嬉しさで顔が熱くなっているのが分かる。
そんな顔を少しでも見られないように。
ひとつの開いているドアの前に近付くと、「ここだよ」と指をさして教えてくれてた。
中から出てくるスタッフと笑いながら軽く話しをしたテミンは、振り向いて笑顔を向けた。
そして「どうぞ」と言って先に部屋に入って行った。
中にはSHINeeだけではなく、たくさんのスタッフがいた。
入るとすぐにソファに座って雑誌を読んでいたキボムと目が合った。
キー「あーヌナ! いらっしゃ〜い。遅かったね。」
その声に、キボムの隣でゲームをしていたジンギも顔をあげて笑顔を向けてくれる。
マネ「行くぞー。
…おっ、名前さん。」
名前「こんにちは。お疲れさまです。」
マネ「今から本番なんで、行ってきますね。」
彼らは一人ずつ、私の前を通って部屋から出て行く。
その度に、私は 頑張って と声をかける。
SHINeeが出て行ったあと、スタッフさんだけになった部屋で、
一人の女性が私に近付いてきた。
その人を見て、体が固まった。
ヨンアさんだ。
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