So Fine 2
□48話
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リビングに出ると、テーブルに座っている3人が一斉に目を丸くして私を見た。
名前「……ん?」
ジョンヒョンとキボムが、変わらずこっちに目を向けていたのに対し、
ミノは、気まずそうに目を逸らした。
キー「案外早かったんだね。」
キーの言葉の意味が分からず、頭の中には「?」が浮かんでいた。
名前「うん…まぁね。
テミンすぐ寝ちゃったから。」
キー「うわぁ…若いのに」
ニヤリとしたキボムの腕に、目を見開いたミノの拳が飛んでくる。
口を大きく開けて大袈裟に痛がっているキボムに、ミノが怒っているように見えた。
ジョンヒョン「それは残念だったなぁ♪」
ジョンヒョンはなんだか嬉しそう。
…どうしたんだろう。
3人の様子について行けず、その場にただ立っていた。
ジョンヒョン「せっかく名前にしては珍しく連れ込んだってゆうのになー。」
そう話すジョンヒョンの言葉と、恥ずかしそうに顔を逸らしているミノの様子に、
私はハッと気が付いた。
名前「ちっ、ちっ…ちがうよ!!
連れ込むとか、そんなんじゃないっっ!!」
その時、廊下のドアが開き、湯気を立てたジンギが入ってきた。
私たちの方をチラッと見ただけで、まっすぐ自分の部屋に入って行った。
全く私と目を合わせようとしないまま黙っていたミノが、静かに立ち上がる。
ミノ「お風呂、入ってくる…。」
ミノがその場から逃げるように離れる。
しょうがなく、私はさっきから勘違いしてる二人に説明しようと、
テーブルに手をつき、体を乗り出す。
名前「違うからね!連れ込んだわけじゃなくて髪乾かすのに自分のドライヤーで
ジョンヒョン「分かった、分かったから落ち着けって。」
キー「ちょっとも〜、ヌナ必死すぎー。ほんとヌナからかうの面白い♪」
唇を噛んで悔しがっても、苦笑いするジョンヒョンと楽しそうに笑うキボムには何の効果もなかった。
ジョンヒョン「まぁまぁ、座れよ」
諦めてフーっと息を吐き出し、二人と一緒に座る。
手を伸ばし、私の頭をクシャクシャっと撫でるジョンヒョンと、それを優しく笑って見ているキボムに、
少しずつ気分が落ち着いていく。
二人の他愛のない会話に、時折り振られる会話。
最後の夜だからこそ、こうやっていつも通り過ごせることが本当に心地よかった。
気を使われて、お別れだからなんて言われるより、
普段の彼らを記憶に焼き付けていられる事がありがたかった。
そのうち、ミノがお風呂から上がり自分の部屋に入っていくと、
キボムがお風呂に行った。
それに合わせるように、
ジョンヒョンはジムに行くと言って支度をしに部屋に戻っていった。
しばらくして大きなカバンを持って部屋から出てきたジョンヒョンに続いて、
私は玄関まで見送りに行く。
靴を履き、立ち上がったジョンヒョンが、ふと後ろに立つ私に振り返った。
何故か、そのまま何も言わずにじっと私の顔を見つめ止まっている。
不思議に思い、ん? と眉を上げて見せる。
ジョンヒョンはフッと表情を緩ませ、小さく微笑んだ。
ジョンヒョン「俺…何でお前のこと手離しちゃったんだろう」
私の手をそっと取り、優しく握るジョンヒョンの手は、少し冷たかった。
視線を手に落とし、小さく呟く。
ジョンヒョン「あの時、本気で俺が幸せにしてやりたいって思ってたのに。。
この手ちゃんと掴んでてやれなくて…ごめんな。」
ジョンヒョンの親指が、私の手の甲をゆっくり優しく擦り動く。
ちがう。
先にこの手を離したのは、私の方だ…。
ゆっくり手を降ろし離したジョンヒョンは、視線を私に戻した。
ジョンヒョン「心配すんな。あいつなら名前のこと絶対離したりしない。
まだまだ子供っぽい所も多いけど…」
頬にジョンヒョンの手が伸びる。
「大事なものは死ぬ気で守るやつだよ」
体温が一気に上がり、目が熱くなる。
それに気付いたのか、ジョンヒョンは私の頬をつまんだ。
ジョンヒョン「泣くなよ。家出られないだろ。」
私は必死で涙を堪えた。
ジョンヒョン「テミンのこと信じてやって。」
私はジョンヒョンの言葉にどう返事していいのか分からず、
「じゃ、俺出るね。」と言うジョンヒョンに、何も言えないまま、
ただドアから出て行くジョンヒョンの背中を見ていた。
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