So Fine 2

□49話
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 <共同生活25日目>


ソファでの寝心地は、お世辞にもいいものとは言えず、
あれから寝ては起きを繰り返す、浅い眠りが続いていた。



静まりかえった夜の暗さを残す午前4時


ふと感じる違和感に瞼を開ける。




暗く静まりかえった部屋の中、
私を跨いで膝を着き、真っ直ぐ見下ろすテミンが、薄く月明かりに照らされていた。


ぼんやりと映るテミンの表情が、何に怒っているのか、朦朧とする頭でも想像はつく。



テミンはゆっくりと上半身を倒してくると、私の顔の横に手を着いた。


目の前ではっきり見えるテミンの表情は鋭く、不機嫌に細められた目が射抜くように私を捕らえている。



テミン「うそつき……!」


強く閉じられていた唇が開き、吹きかかる声は小さく低く、そして重たかった。


テミン「一緒に寝よって約束したのに」

名前「……ごめんね。
テミン疲れてるみたいだったし、起こしたくなくて。。」

テミン「なんだよそれ」


怒りと苦痛で顔を歪ませたテミンは、目を閉じ私から顔を逸らした。



テミン「いつもそうだよ……」


そう言うと、再び鋭い視線を私に向けた。


テミン「名前は僕に気を使ってばっかり!!
僕の気持ちも考えずに、勝手に僕のため僕のためって!」


静かなリビングに、突然声を荒げたテミンの声が反響するように響きわたり、
私の虚ろな頭は一瞬で覚醒した。


落ち着かせようと、咄嗟に出した手の平をテミンに向ける。


名前「わ、わかった。わかったから。
…もうちょっと、声落とそうか。」


私は自分の口にシーっと指を当てて見せる。

次の瞬間、その手はテミンに掴み取られ、強くソファに押しつけられた。


テミン「わかってない!
僕のこと…名前は全然分かってない」



勢いよく顔が降ってくると、
強く攻め立てるような荒々しいキスが襲ってくる。

覆い被さるテミンの体が、私の身動き一切を封じていく。


ねじり込まれた舌に抵抗の余地もない。

唇を吸いあげる濡れた音が、テミンの乱れた呼吸と混ざり、耳の中に響く。


乱暴にめくり上げられた服から入り込んだテミンの手が、肌を掴みながら這い上がる。



口は塞がれ身動きがとれない状態のままだからこそ、テミンの求める箇所に神経が研ぎ澄まされ、
その荒々しさに自分が高揚していくのが分かる。




急に、手首を押さえつけていた力を弱めたテミンは、顔を引き唇を離した。


テミン「………怖い?」

私を見下ろす目は、小さく揺れていた。

私は小さく顔を横に振る。



怖さなんてない。

テミンが私に触れてくれるだけで、テミンの存在を肌で感じられるだけで、
私はテミンに何をされても構わない。

このまま壊されても。。





テミン「ごめん…。」


眉毛を下げ、そう呟いたテミンは目を閉じ私の肩に頭を埋めた。


テミン「名前も、少しでも、僕と一緒に居たいって、そう思ってくれてると思ってたから…なんか悔しくって。。
僕のこと、面倒なら…そう言って」




あぁ…そうか。

私が気持ちを抑え込んでたばかりに、
テミンは私が一緒に居ることを望んでないと思ってたんだ。



私が最後にテミンに残したかったのは、そんなんじゃない。





シャンプーの香りを纏ったテミンの髪に、自由になった手を乗せ撫でる。


名前「ごめんね、不安にさせて。
私も一緒に居たい。いつだってテミンに触れてたい。
大好きだから迷惑かけたくなかったの。
必死に我慢して、表に出ないように隠してた。。」



私の肩に掛かっていたテミンの前髪が浮き上がると、
テミンの顔が目の前まで上がってくる。


テミン「……なんでそんなことするの」

消え入りそうな、か弱い声でそう言うと、
顔を傾けたテミンから、唇を包むような優しいキスが降りてきた。


テミン「…もう、我慢なんてしないで。
僕に見せてよ……全部」






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