So Fine 2

□53話
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  オニュside



キー「ねぇ、テミンどうしちゃったの…?」

顔を寄せ集め、小さく隣の2人に尋ねるキボムに、
肩を上げ、同時に頭を傾げるジョンヒョンとミノ。




3人は横から通路に立つ僕を見上げてきた。

気付かない振りをして、反対に目を向ける。


奥の窓際の席には、黒い光を溜めた目で一点を睨むテミンがいる。

鋭利な空気を放つテミンに、近付いたり声を掛ける者はいなかった。





僕は隣に座る。


目をやると、テミンの膝の上には、グシャリと握られた跡が付いた小さな紙袋が、力ない手で持たれていた。




こうなることは想像できた。

ただ、こんな場所で伝えることになるとは…。




テミンを覆う鋭い空気を切るのには少々勇気がいる。

お互い無言のまま離陸を終え、タイミングを図ろうとしているうち、
先に口を開いたのはテミンの方だった。



テミン「…戻って、くるよね」

僕に問いかけながらも、自分自身に言い聞かせているようなテミンの言葉に、胸はギューっと締め付けられ痛む。



きっと、テミンが一番聞きたくない言葉を、
僕は言わなければいけない。





オニュ「テミナ……
ヌナは日本に帰ったんだ。。
僕らのとこには、もう…戻ってこない。」

前を向いたそのままの姿勢で、視線の端でテミンの様子を窺う。



テミン「……そう」


簡単に納得するとは思ってなかった分、
テミンのその返事に、かえって不穏な雰囲気を感じとってしまう。


オニュ「黙っててごめん。」

テミン「……。」



そこからの無言のテミンは、さっきにも増し、誰も寄せ付けさせないオーラを放っていた。







空港から宿舎までの車内は、いつもより静かで、
ジョンヒョン・キボム・ミノが、何も知らなくとも気を使っていることが伝わる。




玄関を入るなり、大きく「ただいまー!」と声を出すキボムを先頭に、僕らはリビングに入っていく。


キー「……?
あれ?ヌーナー、帰ったよー。」


ヌナが使っていた部屋のドアをノックするキボムに、ジョンヒョンが近付く。

ジョンヒョン「名前ー、お土産買ってきたよー」

キー「ヌーナー」


遅れてリビングに入ってきたテミンが、そのまま自分の部屋に入ろうとしたので、僕は咄嗟に呼び止めた。

オニュ「テミン!! ……みんなも、ちょっと話があるんだ。」


振り返り不安そうな顔で僕を見るジョンヒョンとキボム、水を飲んでいたミノも呼び、3人をイスに座らせる。

テミンは僕らから離れたソファに座った。





僕は静かに、ひとつひとつ、
名前が出て行った事実を話す。



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