So Fine 1

□14話
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受け入れも抵抗もせず、ヌナは動かない。



唇をそっと離し、顔を近づけたままヌナを見つめる。






…なんで

…なんでそんな目で見るんだよ。。





名前「だめだよジョンヒョン。
 契約違反になっちゃうんだよ。
 もうこんなことしないでね。」



諭すような口調で話すヌナは、今まで俺に見せたことのない顔をしていた。


悲しそうな…辛そうな…。
それでいて真っ直ぐ俺の目を捕らえている。





そして椅子から立ち上がったヌナは、俺を残し
ヒョンの部屋へ戻って行った。











キスをした相手にあんな顔されたのは初めてだった。




「…なんなんだよっ」

苛立ちが俺を包む。






契約違反ってなんだよ!

事務所との契約がなかったらあんな顔してないのかよ。




契約がなければ俺のキスも受け入れてたのか。


そしたら、俺のものになってたのかよ……







いくら考えても答えなんか出ることもなく、モヤモヤした思いをかき消すように、
キッチンに体を向け、ピザ作りの続きに集中する。


それでも、オーブンに入れたピザをボーっと見ながら、
頭の中はヌナの事だけでいっぱいだった。











「………ョニヒョン。
 ねぇ!ジョンヒョニヒョン!!
 …大丈夫?」



ハッと我に返った俺の横からは、キボムが顔をのぞき込ませていた。



ジョンヒョン「うわっ!!お前いつの間に帰ってたんだよ!!」


ボーっとしていた自覚はあったがそこまで意識が飛んでると思わなかった。



キー「さっきだよ。いくら呼んでも返事しないから!
もぉ〜、なんなの。」

キボムは怪訝そうな顔でブツブツ言いながら洗面所に向かった。






(おいキムジョンヒョン!あんな女相手に何やってんだよ!しっかりしろよっ!)


頭をブルッと振り、頭いっぱいに広がっていたヌナの事を放りだそうと頑張っていた。






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