So Fine 1

□16話
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<共同生活 8日目>


あれから数日、ライブや新しいアルバム作りの為に
昨日までの3日間、ミノを含め全員の帰宅は門限の3時近くになっていた。



せめて帰るまでは!
と頑張って起きて待つようにしていたものの
悲しい事に、毎日頭は寝かかっていた。


みんなも毎日倒れこむように眠りにつく。




彼らがこなしてきた日々の仕事は、
私には想像もつかないほど過酷なものなんだ。


忙しい彼らに合わせて、始まったばかりのミッションカードも一時お休みらしい。



その間私は、疲れきった彼らが帰ってくるのを待ち、朝送り出すことくらいしか出来ないことが歯痒かった。




ジョンヒョンはあれ以来、あまり構ってこない。
それどころか、目もあまり合わせてくれず、うつむき加減な事が多い。

他のメンバー同様疲れているからだろう。。






そんな日は続き、
この日は珍しく、全員揃っていつもより早い時間に帰ってきた。

私は次の日の仕事のプリントを用意している最中だった。





ドアが開き、一気に彼らが帰ってくる。


相変わらず、帰るや否やソファに倒れこむジンギ。

キボムとジョンヒョンは、じゃれ合いながらリビングに入ってきた。

ミノは私のそばに来て
「ヌナただいま。何やってたんですか?」
と私の手元にあるプリントを見ながら聞いて来た。


名前「おかえりミノくん。
これね、明日使うプリントなの。
…あ、私ね、韓国来てから日本語教える仕事始めたの。」


そう言うと驚いたのは隣で聞いていたミノではなかった。


キー「え??ちょ、ちょっと待って。
ヌナ今何て言った?日本語教えてるとか言った?」

ジョンヒョンと遊んでるはずのキボムにも聞こえていると思わなかった。


名前「う、うん…。
みんなに話す機会逃しちゃって言えなかったんだけど、こっち来てからみんながお仕事行ってる時間に日本語教えに行ってるの。
でも毎日じゃないんだ。彼らも忙しいみたいだから週3でなんとか時間見つけてやってる感じで。」

ジョンヒョン「彼らって?俺らのとこの練習生とか?」

名前「ううん、違う事務所の人たちだよ。
B1A4って知ってるよね?彼らに教えに行ってるんだ。日本活動もしてて覚えるの早いんだよ〜。面白いし、元気だし♪」



キー「……。
ねぇ、もしかしてオニュヒョン知ってた?」

オニュ「ん? うー、知ってた。
吉田さんが彼らのマネージャーと知り合いで、日本語教えるの頼まれてたけど時間なくて、ヌナに紹介したらしいよ。」


寝転がったままのジンギが答えると、

ジョンヒョンが「ふーん」と言って自分の部屋に入って行った。


ミノは「じゃ、頑張って」と私の肩を叩いてから、自分の部屋に入って行った。



キボムは私の隣に座り、どんな事教えてるのか見てみたいとプリントを持って読み始めた。




私はみんなが帰ってきてからずっと、テミンの姿が見えない事が気になっていた。


「ねぇキボム、今日テミンは一緒じゃないの?」

「一緒に帰ってきたけど、今玄関で電話してる。」



廊下に通じるドアから覗くと、座って誰かと話し込んでるテミンの後ろ姿が見えた。

邪魔しないようにそーっと戻る。



キボムの隣に座ると、よく出来てるね とお褒めの言葉をもらった。

褒められた事と、4日ぶりにキボムやみんなと話せたのが嬉しくて、この日はずっと口元が緩みっぱなしだった。





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