海賊ノベル

□うちカレっ!!
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「「「なんだとおおぉおぉぉぉっっっ!!!」」」
「それ、ほんとなのかっ!!ウソップうぅー!」
「嘘じゃねぇだろな!?長っ鼻ああぁーーっ!!」
「スぅ〜パぁ〜やべーじゃねえかぁっ!!」
「とにかく皆さん落ち着きましょう!!」


ーー事の次第はこうだ。ある島に停泊した麦藁の一味は、そこには海賊狩りのならず者が多いという情報を得ていた。それで、ルフィ、サンジ、フランキーの三人が買い出しを終わらせ次第、即出航することに決まった。サニー号には、ゾロ、ナミ、ロビン、チョッパー、ウソップ、ブルックが残った。
もし海賊狩りが集団で船を襲ってくることがあったら大変だからだ。
ーしかし、正直油断していたことは否めない。

「なぁ、みんな。…なんか、変な甘いにおいが…す、する……(バタッ)」
「チョッパーっ!!ちょ、どうし…た……の…(バタンッ)」
「ヨホホ…なぜか…ねむ…グガ〜っ!(ガシャンッ)」
「くっ〜…ど…なって…やが……(ドタッ)」
「な…なんだ…ぁ…(ドタンッ)」
「あら…何…かし…ら(ドサッ)」
船内にいた全員が崩れ落ちるように眠り、船が静かになったのを確認した海賊狩りたちは、揃って卑しくニヤニヤと笑いあった。
「へっへへへ…、まさか麦藁の一味が来るとはなぁ…。」
「あぁ…、全員分だけでいくらになるか…ヒヒヒヒひっ!」
「よっしゃ!こいつにゃあ、さすがの連中もひとたまりもねぇなあ、おい。」
海賊狩りの一人が掲げたのは、毒々しい色をした花だ。それは、この島に特有の植物で、麻薬の原料でもある。その麻薬の常習者にはただ快楽を与えるだけだが、素人がその香りを嗅ぐと、たちまちのうちに眠ってしまう催眠作用があったのだ。普通の人間だろうと、悪魔の実の能力者だろうと、その香りに抗うのは不可能だ。今までもその植物のおかげで、海賊狩りを続けてこれたのである。
「おぉ!こいつ、海賊狩りのゾロだぜ!こいつぁお高いぜ!連れてけよ!…美人だなぁ、おい。お頭に味わせよーぜ!」
「ヒヒヒヒひっ!そりゃいいな!おっっ!美女はっけ〜んしかも二人だロロノアだけじゃもったいねぇっ!!こいつらもだ!」
「へっへへへ…、他の連中はどうすんだ?」
「ほっとけ!どうせタヌキと天狗と骸骨しかねーよ!」
「それもそーだな!へっへへへ…。どうせ起きたところで、俺たちの足にゃ適いっこねぇさっ!!」
ギャーッハッハッハッハッーーッッ!!!!!
海賊狩りたちの下卑た笑い声に悔しがりながらも、ウソップはどうすることも出来なかったのだ。実は、鼻風邪をこじらせていた彼は、嗅いだ香りの量が少なかったのだ。だから、海賊狩りたちが去った後、直ちにブルックとチョッパーを叩き起こしたのだ。そこに買い出し組が丁度戻ってきて、今に至る。
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