海賊ノベル

□ポッキーゲーム※
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ーそれは、ゾロの誕生日パーティーの真っ最中のことだった。


「ゾローーっ!!ポッキーゲームするぞ!」
「なんだそりゃ?」
「知らないの?このポッキーの端と端を自分と誰かで口にくわえて、どんどん食べてくのよ。で、先に口を離した方が負けよ。」
「スーパースリルあんじゃねえか。」
「フフっ。確かに、キスしてしまうということもあり得るわね。」
「じゃ、ゾロからな。主役が最初だぞ!」
「俺からかよ!?」
「ゾロの対戦相手は誰にするの?」
「おいっ!話聞けよっ!」
「よしっ!おれから」
「オレが相手だ。」
ルフィの声を遮ったのはサンジだ。
「買Nソコック!てめっ!」
「どうした?未来の大剣豪様はキスが嫌だから逃げだすのかよ?尻尾巻いて?」

販゚チッ


「誰が逃げるっつったんだよ。上等だ、やってやろうじゃねえか!」
「そうこなくっちゃな。まあ、オレが勝つだろうけどな!」
「はん!何言ってやがる。俺が勝つに決まってんだろ!」
互いに睨み合ってから、さっそくポッキーゲームを開始する。


(…まずいわね。二人っきりの世界に入っちゃったわ。)
(おいおい…どーすんだよ?)

パリっ…ポリっ…ガリっ…ポリっ…ポリっ

両者ともに離す素振りを見せない。ポッキーはどんどん短くなっていく。それに比例して、二人の間に濃密な空気が流れだす。

(どうしようもないから、ここはそっとしておいてあげましょ。)
(アウッ!しょーがねーなっ!外出てやっか。)
(ヨホホ〜。そうしましょう!)
(え?なんでみんな外に行くんだ?)
(…気にするな、チョッパー。)
(しししっ!野郎共、外出るぞ!)

仲間たちが出ていったのに気づいていたのかいなかったのか、二人はまだゲームを続けていた。


カリっ…パリっ…ガリっ…ポキっ!

唇が合わさり、口の端からポッキーの欠片がこぼれる。
そのまま互いに舌を絡め、吸いあうと、口内に甘いチョコ味が広がる。
でも、その甘さはチョコだけのせいではなくて。


「んっ、ふ、ァふっ、は、ちゅくっ、あっ、ン!」
「はっ、っハ、ンふぁ、ぴちゅ、ァっ、ちゅぷ!」

名残惜しそうに唇が離れて、透明な糸を引く。

「ハっ、ゾロ、突然でわりぃけど…オレからのプレゼント、今くれてやってもいいか?…正直我慢できねえ。」
「ふんっ。…来いよ。ありがたく受け取ってやらぁ!」
「途中で返品不可だからなっ!」
「わあってら!」
ゾロが強気ながらも了承したのを確認すると、サンジはその場でゾロを押し倒した。




コックはいつも以上に俺を焦らしまくる。普段ならだいたい解されてからコックのアレを入れられるあの場所を、今日はけっこう時間をかけて解されている。それまで体中を愛撫されたから尚更じれったい。

「狽っ、ハぁ、ン、っア、ンァっ!くっ!ぁああっ!」

自分のとは思えない高い声。
昔、人を抱いた経験はあるが、まさか抱かれるのが気持ちいいとは思ってすらいなかった。

ーコックと会うまでは。

最初はただ気に食わなかっただけだ。女相手にはだらしなく、野郎相手には容赦ない。
特に、俺を親の敵とでも思ってんのか、と疑ってしまった程、俺にはきつく当たってきた。

それが胸の奥をチクチクと刺すことに気づいたのはいつ頃なのか。

そのトゲが一体なんなのか。その正体がわからないまま、放置していた。


ーあの酒場でクスリを飲まされなけりゃ、俺たちはこうして抱き合うことができたのか?

考えてもわからない。が、コックに初めて抱かれて、それまで胸の奥に隠れていたトゲがするっと抜けた気がした。

今までどの人にも抱かなかった気持ち。でも、コックに対してだけ抱く気持ち。

「ンっ、ハアぁっ、っハ、ん、あんっ、はぁ、あっ」

グチュグチュっヌプっズチュっヌチョっグチョっ!

「狽「ぁあっ!あ、んぁっ、ふ、やっ、やんっ、ぁっ、ハぁっ!」

「ハっ、はあ…マジでエロい…ゾロ、あとちょっと、な?」
コックはまだあの場所をほぐそうとする。かけられたローションのせいか、指を動かされるだけで、そこはひどく淫靡な水音を立てる。

俺は力の入らない手をどうにか動かして、コックの手に重ね合わせた。

「っハ、どうした?」
「ハア、ハァ…焦らすんじゃ、ンっ、ねえ!」
「はァっ、なに言ってやがる、今日は、丁寧に、扱って、ヤるって、決めてんだ。」
「もう…いっ、んぁっ、早く、突っ込めっ!」

ー丁寧?そんなもんいいっ!

ー俺が欲しいのは手前ぇだけだっ!

「ーハっ!ンなエロい顔すんなって!」

サンジはゾロを膝に座らせると、ゾロの耳元に「ーいくぞっ!」と囁くと同時に一気に貫いた。

「這狽チあぁアアあーーーっ!アあぁっ!はあっ、うぁっ、んんぁっ!」
「はっ、ンっ、きっちい…、平気、か?」
「聞くなっーーーっぁあっ!」
ジュップジュップグチュッズチュッズチュッ!

「ンっ、は、あっ、ぁっ、んぁっ、やっ、ふぁ、んんっ!」
「ゾロ、ゾローー愛してっから!誕生日、おめでとな!んっ!」
「ひぁあっ!アンっ、俺、っハァ、も、愛して、んンっ!狽っあぁあアアーーーーーーっ!」




すっかり満足した顔でスヤスヤと眠りこける恋人の頭を撫でながら、サンジはチラッと自身のズボンのポケットを一瞥する。
実は、数日前に立ち寄った島で買ったペアリングのうちの一つを入れておいたのだ。
シンプルなデザインながら、緑と青が混ざったような透き通った石が埋めこまれていて、ちょうどゾロにぴったり似合いそうだった。
情事後に渡してキメるつもりだったが、肝心のゾロが寝てしまったので、渡すのはもっと後になるかもしれない。

ーまあ、気にしねえでおくか。

今は、こうしてそばにいるだけで幸せだから。

サンジはニッと笑うと、眠る恋人のおでこにキスを落とした。





ー終わりー

Happy birthday!ゾロ大好きだあ!

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