■□双子@□■
□〜リビング思案〜
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愛と青春の日々
〜リビング思案〜
「…ヤッ! ちょっ、何!?」
「ほらほら動かないの〜。はみ出ちゃうじゃない!」
「ダメだって…ッ!」
帰宅して、2階へ上がろうとしたら声がした。慌ててる風の美隼の声に導かれ、俺はリビングのドアを開けてみた。
………………?………
……な…………
……ななななッ!?
なんじゃこりゃーッ!!
Σ( ̄□ ̄;)
目の前にはソファーに仰向けに寝そべってる美隼と、その上に乗っかるウチのオカン!!
って、何この状況!!
これは……世に言う……
キンシンソーカン!?(←自分のコトは棚上げ。)
俺の気配に気付いたオカンがこっちを向いた。
「あ、きぃちゃん♪ おかえりなさ〜い」
「え……。き、はや?」
続いて聞こえる美隼の声。
ココからじゃ表情なんてわからないけど、何だかとっても弱ってないか!?
「お…オカン!! 何してんだよ!?」
慌ててソファーに駆け寄って、オカンを美隼からひっぺがす。
「や〜ん! イイトコだったのに〜!」
抱き抱えたオカンにポカポカ胸を叩かれる。
「イイトコとかそういう問題じゃないだろが!」
俺の美隼に何すんだッ!!事と次第によっちゃオカンでも容赦しないぞ!
「…ありがと貴隼。助かった」
ゆっくりと体を起こす愛しの美隼。
………あれ?
別段、着衣に乱れ無し。
……つか、いつもに増して美人じゃないか?
つい美隼の顔を凝視していたら、それに気付いた美隼が苦笑いを浮かべた。
「見るなって。野郎の化粧姿なんてキモイだろ!」
「そんなことないってば! みぃちゃんとっても似合ってるっ!!」
……え。
…………化粧?
よく見れば、オカンの手にはメイク道具が!
………なんだ、襲われてたんじゃないのかよ。
みぃちゃんの貞操の危機かと思って焦ったじゃんか!
「もーっ、これ取ってよ!」
オカンに向かって美隼が言う。
「あ〜。擦っちゃダメよ! これで拭くの!」
ゴシゴシ顔を擦ってる美隼に、オカンが何かを差し出した。
さりげなく、そのウェットティッシュのようなモノを没収する。
「なんだよ? 貴隼」
「俺が拭いてやる」
「は? ……貴隼!?」
俺はソファーにいる美隼を姫サマ抱っこで抱き上げる。で、その体勢のまま空いたソファーに腰掛けた。
カワイイ美隼は当然俺の膝の上。真っ赤な顔で暴れてる。
「は…離せよ! ヘンタイ! バカ貴隼ッ!!」
なんだかヒドイ言われよう。ま、いつものことだけど!
暴れる美隼を片手で支え、その綺麗な顔を上に向かせる。
「ほらほら。目ぇ、ちゃんと閉じないと! マスカラ綺麗に落ちないぞー」
「自分でできるって!」
「ダメだよ、みぃちゃん。ほら閉じて」
余計な心配させたお詫びに、これくらいはさせろよな?
ま、詫びるべき人は美隼っていうよりオカンなんだが。
そこは臨機応変に頼むよ、みぃちゃん♪
Fin...
おまけ→