デスドアオリジナル

□奇跡の拳
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「ねぇ、あなた本当にボクサーなのよね?あたいと少しやってみない?」
キリコはヒヒヒと笑うとファイティングポーズを取り軽くステップを踏む。

「そ、そんな!女の子相手にできないよ!」
マッドは困惑して両手を振り拒否する。しかし、キリコは引き下がらなかった。

「あたいストリートファイト最強なんだけど!これでも400戦無敗よ!!」
キリコは指を鳴らすとシャドーボクシングを始める。

「え…でも危険だよ!」
マッドは首を横に振る。

「大丈夫!思いっきり手加減してあげるからさ!」
「うぅ…どうなっても知らないよ」
マッドも構える。

「へい!カマーン!」
キリコが手を振り煽る。

「どえぇっ!」
マッドがストレートパンチを打ち出す。それはどうしようもなく遅くキリコには止まっているように見えた。
「避けた!?」
マッドは驚き次のパンチを繰り出す。キリコはそのパンチを見切り難なくかわすとマッドの懐に入る。そして軽くボディを叩いた。
「う…!なんて速いんだ!」
マッドは無造作に腕を振り回し攻撃をするがまるでキリコに当たる様子はない。キリコは上半身を揺らし死角からパンチを繰り出す。そのパンチはマッドの顔面で寸止めされ次から次に打ち込まれ寸止めされた。
「なんて凄いんだ…これが…400戦無敗なのか!?でも…やっぱり女の子だ!パンチが軽い!!」
「あんたが遅すぎるのよ!まんま素人の動きね!パンチも直線的だし、パンチを受けるにも寸前で目を瞑ってるわ。それじゃあたいのパンチを避けることは絶対に出来ない!!」
「一応僕だってプロのボクサーなんだ!!」
マッドは大きく振りかぶり全力でパンチを放つ。その瞬間目の前にフラッシュが焚かれた。
「え…!?何!?」
マッドはフラつくとジンジンと痛む頬を触る。
「さぁ、さっきの勢いはどうしたのかしらね?」

「何だかわからないけど、とても強いパンチが来た!でも、見えなかった…!次こそは!」
マッドは振りかぶって同じようにストレートパンチを放った。
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