デスドアオリジナル

□赤い雨
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壁の染みが蠢き女の顔に変化する。
その顔は憎悪に歪む。

「男はみんな死ぬの!」
深い井戸の底から響くような声が部屋に轟いた。

「シュクレーン!!」
クロウが空より降りてきて家のガラスを突き破り入ってくる。

「クロウ!」
シュクレンが右手を差し出すとクロウが留まり黒い光を放ち大鎌に変化する。
黒い光はシュクレンの服を黒く染めた。

「シュクレン!気を付けろ!通常不浄のセカイは生前の欲求のセカイだ。しかしこのセカイは憎悪で歪んでいる!お前が過去に回収した魂、純一郎や亮太を殺した張本人!剃刀女だ!お前の手で引導を渡してやれ!」

「うん…わかった…」
シュクレンは鎌を構える。
壁の染みの顔が歪み不気味に笑う。

「ぎゃあぉぉぉっ!!!」
外で男の悲鳴が聞こえ外に出ると雨の中、男が倒れていた。
その喉は剃刀で切り裂かれて心臓の鼓動に合わせて血が噴き出していた。
その脇には剃刀を持った女が立っていた。

「男なんて皆死ねばいい。死ねないなら私が殺してあげる。生きるも哀れな生き物」
憎悪に満ち充血した目でシュクレンを睨む。

「父親…殺したら…駄目…」
シュクレンの言葉に形相が一変した。

「娘を虐待しレイプする父
親…所詮男は最低の生物…皆私が殺すの!この世から男を消すの!」
セカイが揺れ空気がまるで虫のように蠢き肌にまとわりついてくる。
とてつもない殺気がこのセカイを包んでいた。
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