デスドアオリジナル

□赤い雨
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クロウが鎌の変化を解きシュクレンの所に飛ぶ。

「シュクレン!何度も言ったろ!?魂に感化されるなと!!感情が無かった頃の方が扱い易かったぜ!」

「クロウ…私は…人形…じゃない…」
シュクレンが小さな声で呟く。

「何だと!?」

「私は…クロウの操り人形じゃない!!もう嫌っ!言われるがまま斬るなんて嫌!!」
今度はヒステリックに叫んだ。

「ちっ!いつまでそんな甘ちゃんでいるんだ!?相手を生かすためなら自分は死んでもいいのか!?」
クロウの問いにシュクレンは黙って首を横に振り立ち上がろうとする。

「うあぁぁっ!!い…痛いぃ…!」

頭まで痺れる激痛で立てない。

「シュクレン…俺様はお前の主でお前は従者だ。しかしな!俺様は決してお前を粗末にしてないぞ!お前を生かすためにやってるんだ。お前を生かすためなら不浄の事なんか知った事ではないんだ!操り人形みたいに働いてりゃこんな事にはならねぇんだよ!!」

「…うぅ」
シュクレンは何も言えなくなった。

「とにかく話は後だ!剃刀女を始末するぞ!立て!」

シュクレンが左手を差し出すとクロウが留まり鎌へと変化する。

「シュクレン!剃刀女が踏み込んできた時がチャンス
だ!絶対懐に入れるなよ!」

「うん…わ、わかった…」
シュクレンは鎌を後方に構え息を深く吸う。

陽子の姿が大人になっていく。

「このセカイだけは優しい。想いが力になる優しいセカイ…だから邪魔はさせない!!」
剃刀女がケラケラ笑う。

「不浄の魂は…私が狩る!!」
シュクレンは鎌を持つ左手に力を込めた。
剃刀女が腕をダラリと垂らす。
すると一瞬で間合いを詰めてくる。
シュクレンは咄嗟に鎌を振る。
目にかかる血液のせいで一瞬遅れた。
鎌は剃刀女の腕を切断したがシュクレンと剃刀女の間合いがゼロになる。
「捕まえたぁ!」
剃刀女はニタリと笑うとシュクレンの左腕を斬った。

「あぅっ!」
鎌が再び手から離れた。
鎌に手を伸ばそうとしたが自由が利かない足でバランスを崩した所に剃刀女がシュクレンの膝を斬った。

「あああっ!!熱っ!」
シュクレンは四つん這いになる。

「どう?なぶられる気持ちは?あなたは私を散々斬ったの。だから許さない!」
そう言うと今度は肘を斬る。
「ああああ!?嫌っ…嫌ぁぁ!!」
シュクレンは足を引きずりながら逃げる。
鎌から変化を解いたクロウが剃刀女に飛びかかる。

「ちくしょーっ!やめろ!!
俺様のシュクレンから離れろ!」
クロウは剃刀女の前で羽ばたきクチバシで突っつく。

「邪魔なカラスだ!」
剃刀女はクロウを剃刀で斬った。

「ぐぁっ!ちくしょーっ!」
クロウは血を流し高く飛び上がる。

「あ…ぅ…ク、クロウ…」
シュクレンはもう動けなかった。
剃刀女はケラケラ笑いながら近付く。
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