デスドアオリジナル2
□銀麗
14ページ/18ページ
「どうしてさ!」
キリコは邪険に聞く。
「あなたはもうじき死神としての役目を終えるのよ?この狂気のセカイを抜け出せるのよ?それはずっとあなたが望んできた事じゃないの!?何年も何年も!ようやくここまで来たのに今魂の力を使ったら、またあの戦いに明け暮れる日々なのよ!?」
「うぅ…」
キリコがシュクレンの顔を見る。
ただ眠っているように見えた。
「それにその願いを叶えてもキリコには何の影響も無いと思うわ。この広いデスドアでまた巡り会えるなんて稀なんだから!」
ノスタルジアは首を傾げる。
「構わない…シュクレンがいないセカイなんてもう考えられないの!会えなくても!同じセカイで生きてる事が大事なの!それだけで…あたいはこのセカイで強くなれる…このセカイでもっと強くなれるから!それはシュクレンにしかできないんだよ!もう一人は嫌なんだよ!」
「わかったわ…今まで集めた魂の力を使うわね!」
ノスタルジアの体が黒く光る。
「また最初からやり直しね?」
ノスタルジアはキリコに問う。
「ううん、シュクレンと同じスタートラインに立つだけよ!」
キリコは微笑む。
「しょうがない子ね。あなたはこの狂気のセカイで友達に巡り
会えたのね!」
ノスタルジアの放った光がシュクレンを包み込む。
「キリコ!あの従者の心はあなたの中にあるわ!吹き込みなさい!」
キリコはシュクレンに口づけをして息を吹き込む。