デスドアオリジナル2
□銀麗
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ノスタルジアの放った光が徐々に薄れていく。
「キリコ!あなたの願いは叶ったわ!」
ノスタルジアの声にキリコはハッとしてシュクレンを見る。
シュクレンの蒼白だった肌が色付き目が少しずつ開いていく。
「キリコ…」
シュクレンがキリコの名を呼んだ。
「シュクレン!!」
キリコがシュクレンを抱き締める。
「あたい!わかったよ!泣くのは悲しい時ばかりじゃないんだって!嬉しい時でも泣きたくなるんだね!!あたいは泣けないけど!わかったよ!」
キリコはシュクレンを強く抱き締めた。
「キリコの声…私…聞こえてた…ありがとう…自己満足するくらい…頑張って…生きたかって…」
シュクレンの表情にキリコは固まった。
一瞬だけシュクレンが微笑んだような気がしたのだ。
「シュクレン…今…笑った?」
「…ん?」
見た時にはいつもの無表情なシュクレンだった。
「気のせい…あたいが一番見たかったもの…たぶんそう!」
キリコとシュクレンの額がくっ付く。
「キリコの…本当の願い…駄目にした…ごめんなさい…」
シュクレンは罰が悪そうな顔をする。
「あたいの?シュクレン!あたいの本当の願いは…秘密なのだ!」
キリコは笑いながら
シュクレンの両頬をつまみ引っ張る。