デスドアオリジナル2
□銀麗
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クロウとノスタルジアは駆けていく二人を見ていた。
「本当にしょうがない子ね!」
ノスタルジアはさほど怒ってはいなかった。
「あいつら何であんなに仲がいいんだ?」
クロウが訊く。
「あら?嫉妬かしら?」
「違う!ただあいつらを見てるとこのセカイが不釣り合いに見えてな!」
「そうね!現世にいたなら女子会なんかやってそうだわ!」
ノスタルジアはほほほと笑う。
「ジョシカイ?なんだそりゃ?」
クロウは首を傾げる。
「あら?もう少し現世でお勉強してきたら?今人間達の間では大ブームなのよ!異性と絡むより楽しいんだって!」
「現世でも同性愛なのか…」
クロウは目を細める。
「ちょっと違うと思うわ!」
首を振り否定する。
「ノスタルジア!」
クロウが突然名前を呼ぶ。
「何かしら?」
しばしクロウとノスタルジアの間に沈黙が続く。
「あ…ありがとよ…」
クロウはそっぽを向きながら言った。
「あら?あなたにお礼言われたのは知り合って500年で初めてだわ!」
クロウは赤くなる。
「私よりもキリコが動いたの!今まで貯めた魂の力も全部使ってしまったわ!おかげで私はキリコともっと一緒にいられるからいいけど?」
「お互い様…か」
クロウとノスタルジアは笑いあった。
このセカイにはまだまだ迷える魂が存在する。