デスドアオリジナル2

□涙と笑み
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周りの死神達は会話もなく静かに移動していた。

「相変わらず陰気くさい場所よね!」
キリコの声だけが大きく響く。

「みんな…静か…。」

「そりゃそうよ!死神となる従者は殆ど感情がないの。扱い易くするためにほぼ全ての感情を奪ってしまうのよ。だからノスタルジアやクロコは特別な部類よねー!こうやってあたい達だけで行動できるんだから比較的自由なのよ。」

「感情が…ない…」

「つまりただの操り人形ね!極端なのになると直接死神が従者を操る奴もいるみたいよ!脳を支配してね!ほら、見て。頭にカラスが乗ってるでしょ?あれは脳を支配されて直接動かしているのよ。肩に乗ってるのは感情の一部だけを奪った死神って事ね。」
キリコは指差して説明する。
シュクレンは少し想像したら身震いがした。

柱続きの回廊を進む。たくさんの廃墟の隙間から夕日が差していた。
「ここっていつ来ても夕方なのよね〜。なぜだかわからないけど、ここだけ時間が固定されてるみたいね。」
しばらく歩くと大きなホールに出た。
まるで中世の建物のようにゴシック調に装飾されていたがどこか無機質な冷たさを感じた。
その真ん中には地図のようなものがあり星のような光があちらこちらに溢れていた。その周りを囲うように様々な死神がその地図を眺めていた。

「これがデスドアなんだよ。この赤く光ってるエリアが不浄のセカイ、青い光が死神を表しているの!でもここに表示されているのはまだ管理局が把握しているだけで全体はまだ見えてないのよ。」

「赤…多い…」

「死神も不足してるのよねー。明らかに赤いのが増えていってるわ。あ、またやられた…。」
赤いエリアにあった青い光が点滅し消えた。

「不浄の魂にやられる死神もたくさんいるってわけね。」
キリコは肩をすくめる。
「その通りです。」
不意に背後から女性の声がして二人は振り向いた。
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