追跡
□第7章
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翌日。
タケシとアキラはセイジが車を運んでいた精肉工場に張り込んでいた。
「なぁ、タケシ。なんでまたここに用があるんだ?」
「引っかかるんだよ。以前にあいつらを助けた時に相手の慌てようだ。ほぼ毎日のように車を運んでいる。しかも日によって車が違う。ショウゴ達は何かを知っていたのかもしれない。」
「ふ〜ん…あ、セイジが来たぞ!!」
タケシが咄嗟に車の前に飛び出し、セイジは慌てて急ブレーキを踏む。
「な…タケシ!?何やってんだよ!?死にたいのか!!」
セイジが叫ぶがタケシは意に介さずにセイジを運転席から引っ張り出した。
「おい!積み荷はなんだ!?見せろ!」
「なんだよ?駄目に決まってんだろ!余計な詮索をしないってのがルールなんだよ!」
「まるでガキの使いだな?積み荷を見せるんだ!でなきゃ力づくで見せてもらうぜ?」
タケシがセイジを突き飛ばす。
「ちょ…やめ…!」
アキラがセイジを押さえつける。
「な、なんだこのクソオヤジ!離せコラ!」
セイジが暴れる。
「オヤジじゃねーよ!こう見えてお前より年下だ!」
タケシが車のトランクを開けると複数のビニール袋があった。
そのビニール袋を開ける。
「…
っ!?これは…!!」
アキラとセイジがタケシを凝視する。
タケシは二人を見ると頷いた。
「ビンゴだ。見てみろ。」
アキラとセイジが恐る恐るトランクを覗き込む。
ビニール袋にはどす黒く変色した肉片が入っていた。
その中には頭髪も混じっており、白い骨が見えていた。
「こ…これ…何だよ…何だよこれあぁぁぁぁぁっ!?」
セイジが半狂乱に叫ぶ。
「死体だよ。人間のな。」
タケシはビニール袋の口を元通り縛る。
「はぁひぃ…」
アキラが尻餅をついて失神する。
「すぐにオダ先生の所に運ぶ。検死をしてもらい誰が被害者か特定してもらう。それからセイジ、しっかり話を聞くからな!!」
セイジは顔面蒼白で何も言わずに頷いた。
「アキラ、いつまで寝ているんだ!早く行くぞ!」
「う…う〜ん…」
「え?アキラ?このオヤジが?嘘だろ?」
セイジは目を白黒させていた。