追跡
□第8章
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宿煉の銀髪が黒く変化する。
「私に…あなた達を殺す道理がない。私は第4次セカイの従者。魂を狩る者。魂が無い者に用は無い。私はただ自分の魂を取り返しに来ただけ。」
宿煉はそう言うと鎌を解く。
宿煉の蒼い瞳がタケシを見つめた。
「魂が無いとはどういう事なんだ?そしてお前は本当に宿煉なのか?あいつらと一緒にいた宿煉は?」
タケシが矢継ぎ早に質問をする。
「私はあなたに撃たれて仮死状態になった。私は不老不死。絶対に死なない。そして撃たれても私は意識があった。もっとも聴覚しか機能はしていなかったが、ある施設に運ばれオダと社長と呼ばれる男達が私の細胞を採取し、高速培養する事で私と同じ個体を造り出した。私の力が無闇に使われる事を恐れ、魂を分割した。それで場所がわかりここにたどり着いた。魂が無いのはよくわからない。」
アキラが宿煉に近寄る。
「ちなみに俺、アキラだけどさ、あんた俺に言ったよな?第…なんとかセカイ云々って…」
「アキラ…?私が追っていたアキラは消息が掴めていない。少なくともあなたからは魂を感じない。」
宿煉は淡々と喋る。
「どういう事だよ?全くわけわかんねー。」
ショウジが肩をすくめる。
「あ
なたは顔はショウジに似ている。」
宿煉はショウジを指差す。
「だからショウジだよ!!てか、お前にお礼しなきゃな。逃がしてもらったしな。」
「確かに私はショウジを助けたがあなたじゃない。あなたはショウジの姿をしているがショウジじゃない。」
宿煉は倒れている剃刀女に向かう。
「タケシ、あいつの言ってる意味がまるでわかんねー…」
ショウジはタケシに言う。
「俺には全てがわかったぜ。」
タケシはそう言うと通路の奥に向かう。
ショウジとアキラも後を追った。
通路の奥には鉄格子があり、一台のパソコンが起動していた。
「これは…もしかしてここが…。」
アキラが鉄格子を見ている。
「おそらく、ここが刑務所ごっこの場所なんだろうぜ。」
タケシはパソコンを操作しCDロムを入れる。
画面にはパスワード入力画面が表示された。
「よし、ここで『eden』だな。」
タケシはパスワードを打ち込む。
「何が起きるんだ?」
ショウジが訊く。
「わからん。おそらくオダ先生はデッドプリズンを根本から破壊しようとしていた。おそらくはデッドプリズンに関わってる人達の詳細なデータかもしれない。」
画面にデータインストール中と表示が
出た。