デスドアオリジナル2
□光る剃刀
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クリスが暗闇の中を歩く。
突然周りの闇が隆起し色付き風景を作り上げていく。
「これは不浄セカイ…!?まさか…私を飲み込む程の強い魂が…!?」
クリスは魔導書を開く。
薄暗い街灯の下で少女がうずくまっていた。
「あれは…?」
クリスが近付く。
少女は丸くなり泣いていた。
雨がシトシトと降ってくる。
「ここで何をしてらっしゃるのかしら?」
クリスが問う。
「お父さんに怒られたの…」
少女は答える。
「それでこの雨の中泣いているのね。」
クリスは手の平を広げ雨粒を受け止めている。
「一緒に来てくれる?」
少女はクリスに近付く。
「通常不浄セカイは自分に都合のいいように作られてますわ。雨が降るなど稀ですわね。ましてやこの私をこのまま受け入れるなど有り得ませんわ☆」
クリスは光弾を少女に放つ。
「けーっ!!」
少女は奇声をあげ暗闇に消えた。
「私の勘であなたは危険だと察知しましたわ☆小芝居までしてご苦労様ですこと☆」
クリスは詠唱を始める。
「お前似てる…この前私が殺した奴に…優しさを装って私に鎌を向けた女に!!」
暗闇から姿を現した少女の顔が歪むと両手には剃刀が握られていた。
「何ですって?その娘の名はなんと言ったのです?」
剃刀女はケラケラ笑うと言った。
「確か…シュクレン…」
「な…!?シュクレン…が…」
クリスの手が震える。
「そんなバカな!クロウがついていながら…シュクレン…」
「自分は優しいと思い込んでる奴…見るも哀れ、だから殺してやった…首をスパッと…」
剃刀女は首を切るジェスチャーをするとケラケラ笑う。
その瞬間左腕が切断された。
クリスの指先から鋭い光が放出されていた。
「ひぎゃあぁぁぁぁっ!!!?」
剃刀女の切断された左腕の付け根から血が噴き出す。
「あなたの魂は私がいただきますわ☆ご安心なさい。とてつもない苦痛をたっぷり味わっていただきますわ☆」
「ハッ…ハッ…お前!許さない!!」
剃刀女が飛び込んでくる。
「それはこちらの台詞ですわ☆」
剃刀女の剃刀を魔力を集中させた右手で受け止めた。