デスドアオリジナル2

□機心
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青い空の下、蝉が最後の命を燃やし尽くそうとしている夏の終わりだった。
公園のベンチに座る少女は額に滲んだ汗を拭う。
暑い…夏…」


水飲み場の蛇口からは水が流れていた。
少女は立ち上がり蛇口に近付き手を伸ばす。
すると伸ばした手が何者かの手とぶつかった。
視線を向けると日焼けした青年が少女を見ていた。

「あ、ごめん。つい気になったものだから!」
青年は頭を下げる。

「いえ…」
少女は青年の指に光る指輪を見た。

「…綺麗」
少女は近付く。

「ん?ああ、これ、結婚指輪だけど…はは」
青年は照れ臭そうに頭を掻く。

「…ケッコン?」
少女は指輪から青年に視線を移す。

「俺、この前結婚したばかりなんだ」
青年の顔がみるみる赤くなる。

「私…ケッコン…知らない」
少女は蒼い瞳で青年を見つめた。

「君、日本人じゃないんだね?結婚は好きな男女が一生愛し合いますって契約みたいなものだよ」
青年は指輪を撫でながら言う。

「…アイシアウ?」
少女はよくわからないといった風に首を傾げる。

「君変わってるね!僕は結城ヒロ。君はなんていうの?」

「私は…シュクレン」

「変わった名前だね。シュクレンはここで何をしてるんだい?」
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