追跡
□第7章
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ネクストの研究室にてタケシはセイジを尋問していた。
「何も知らねーよ!」
セイジは仏頂面で言う。
「つまり、お前はその闇金業者に斡旋されてこの仕事をした。しかし、仕事の内容は知らないし詮索もしないというわけだ。」
タケシがセイジを睨む。
「ああ。」
「大体車を精肉工場に運ぶだけで云十万金貰えるわけないだろう?ほぼ口止め料みたいなものだ。」
「かもな。」
「タケシ、こうなったら精肉工場に突撃しようぜ!」
アキラが鼻息を荒げる。
「精肉工場も絡んでいるだろうが時期尚早だ。それに末端を攻めたら意味が無い。組織というものはそういうものだ。精肉工場は後処理に過ぎないだろうからな。」
「そ…そうか…」
「問題は誰が何処で死体を解体処理してるかだな!セイジ、車は連中が運んでくるのか?」
「ああ、その先は知らねー…」
セイジは大きな欠伸をする。
「ちっ…酒臭いな。飲酒運転かよ!」
タケシはセイジから離れる。
すると部屋にオダ先生が入ってくる。
「被害者の氏名まではわからないけど、まだ10代の少女だという事がわかったよ。死亡推定は2日前。そして比較的新しい死体も混在している。同じく10代の少年と思わ
れる。警察の捜索願いが出ていれば特定は容易かもしれない。明らかにこれは快楽的殺人だよ。凶器は鋭利な刃物に違いはないが、丸ノコやチェーンソーを使用したのかもしれない。しかも生きたまま切り裂いた…」
オダ先生の顔色が優れない。
それほどまでに衝撃的な内容だった。
「あいつらはセイジの家に来るのか?」
タケシが問うとセイジは首を振る。
「いつも公園で待ち合わせをしている。」
アキラとタケシはお互いを見合わせ頷いた。
「奴らを絞りあげて死体の出どころを突き止めるぞ!!」
「僕は被害者の身元を詳しく調べてくるよ。」
オダ先生は立ち上がると部屋を出る。
「…オダ先生顔色悪かったな。」
アキラが呟く。
「あんな死体を検死すればさすがに気分も悪くなるだろうな。セイジ、公園の場所を教えてくれ。」
「ショウジ達はどうするんだ?」
「あいつらはもう少し休養が必要だ。ここにいれば囚人達に襲われる事もないだろう。」
「うん、そうだな。」
アキラは部屋に設置された防犯カメラを見る。