大海賊時代
□第2話:再会
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事件から2日後ー
ウォーターセブンに大量の木材を積んだ海列車が入ってくる。ガレーラカンパニーの職人達は裏町を慌ただしく駆け巡る。
朝からゾロはまた勝手に散歩に出ていったようだ。海賊ルームには今、ルフィ・サンジ・ナミ、そして昨日帰ってきたメリーが残っていた。
サンジは忙しなく料理を作り、メリーは見かけにそぐわず力持ちなのか、出来た料理をテーブルへ運んでいく。
「んががが、入るよおめーら‼︎」
「入るよー」
ガチャ‼︎と勢いよく扉が開いたと思えばニャー、ゲロゲロォ‼︎と人ではない声も飛び込んできた。
「ヨコヅナ‼︎おめー外にいな‼︎」
「ココロさん」
やってきたのはココロとチムニーとゴンベ、そしてヨコヅナだった。ヨコヅナは無理矢理入ろうとしたが、建物が壊れそうなのでココロが慌てて止めた。
「全員やっと目覚めた様らね。2日間寝通してよほど疲れてたんらね、当然らが。おや、海賊王も元気なもんらね‼︎」
「ああ…アレ違うんだ」
ココロは次から次へと食べ物を口に運ぶルフィを見て、やっと目覚めたと思ったらしい。しかし実際はそうではなくて……
「戦いの後ぶっ倒れてメシを食い損ねるのがいやなもんで…
寝たままメシを食う技を身につけたらしい」
「寝てんのかい⁉︎ありゃ‼︎!器用な男らね…」
昨日メリーによって発覚したルフィの新たな能力にココロ達も呆れてしまった。その間もメリーはせっせと料理を運んでいった。
『ルフィ!オムライス置いとくね』
「ムシャムシャ…んごー」
「おや?こんな子いたかい?」
ココロはやっとメリーの存在に気付いた。
「ああ、メリーだよ。俺たちの船だったメリー」
「はぁ?ひっく、どういうことらい?」
『ぼくゴーイング・メリー号‼︎船の妖精らしいよ‼︎』
「メリー、“号”はいらないよ」
『あう、わかった』
「船の妖精…んががが‼︎なるほろ、クラバウターマンかい。良かったじゃないか、生まれ変われて」
『うん‼︎』
意外にもココロは冷静で、別段疑う事もなく妖精を受け入れた。チムニーは同じ年頃の子どもがいる事が嬉しいのか、メリーに遊ぼうと誘っている。
「ログポースの記録はあと2日、3日でたまるらろ!これからどうすんらい」
「………たとえ記録がたまっても…私達もう当分先へは進めないの」
何故か落ち込んでいるナミにココロが事情を尋ねる。聞けば船を買うお金も、服や持ち物全て高潮に持って行かれて身動きが取れないようだ。みかんの木とお金を失ったことが一番辛いらしい。
「じゃあ表の客は“それ”かねぇ」
「客?」
「みかんの木〜‼︎もう二度と返って来ないと思ってた‼︎よかった〜‼︎」
『みかん‼︎みかん‼︎ナミよかったねぇ』
「いやぁ、あんたらをアイスバーグさんの暗殺犯だって追い回してた時」
「海賊の持ち物だって事で、全部没収してたんだよ。悪かったね」
「とんでもない‼︎ありがとう‼︎!」
ナミは返ってきたみかんの木を抱きしめてお礼を言った。メリーもその隣で嬉しそうに飛び跳ねていた。
「今帰ったぞーっ‼︎」
ナミからみかんを一つ貰っていると、フランキー一家のケガを看にいっていたチョッパーとロビンが帰ってきた。
「ロビンから目を離さなかったぞ‼︎」
「よし‼︎ごくろうチョッパー‼︎」
『ごくろうチョッパー‼︎』
「ふふっもうどこへも行かないったら」
「見て二人共‼︎みかんの木が無事だったのよ。お金も荷物も全部戻った‼︎これで旅を続けられるわ‼︎」
「ほんとだ!よかったー‼︎!」
二人も戻ってきた荷物をみて多いに喜んだ。メリーはみかんを持ってトテトテとロビンに近寄った。
『みてー、ナミがみかんくれたのー‼︎一緒に食べよ』
「あらよかったわね、後で一緒に食べましょうね」
『へへっ!うん‼︎』
メリーはテーブルにみかんを置いて、今度はチョッパーに近寄りおかえりのハグをした。
『チョッパー遊ぼ』
「えっえっえ、ちょっと待ってろな!」
チョッパーはすでにメリーのお兄ちゃん気分だった。今まで1番下だったこともあり甘やかされてきたが、これからはメリーを守る立場になる。しっかりしないと、と決意を強くしていた。
さぁ遊ぼう、とした瞬間、またもや扉が勢いよく開いた。