納戸

□エスカレート
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最近、佳主馬くんが冷たい。


何を言っても
こっちを向いてくれない。


話しかけても
「うん」「そうなんだ」
「よかったじゃん」
しか言わない。

酷いときは無視だってする。




だからもう、
佳主馬くんを無視しよう。



私は佳主馬くんのことが
好きなのに
佳主馬くんは何とも思ってない
なんて、悔しいから。




それに、無視してれば
佳主馬くんを嫌いに
なれるかもしれないから。










そして、
いつものように
佳主馬くんのそばによる。




とりあえず「ねぇ。」と
話しかけてみる。





----勿論、無視である。





よし、無視作戦開始。




佳主馬くんに背を向け
ひたすら携帯をいじる。




…待てよ。
佳主馬くんから
話しかけてこなかったら
無視以前の問題だ。



「…はぁ…」
と、軽くため息をついてみる。



…反応なし。



作戦失敗かぁ…。


どうしようもなくなり
とりあえず携帯と
にらめっこする。



画面には私のアバターである
キキがうろうろしている。




メール画面には友達からの
メールが届いていたが、
今確認できる条件ではない
と、いうのが現状である。


軽くふてくされてみた。




……。




「ねぇ、希輝。」

ん??


「希輝?」


………キターーー!!!!!!


よし、平常心をたもって
何も聞こえないふり。



「ねぇってば。」


き、聞こえない、聴こえない。



「聞こえてるでしょ。
希輝、ねぇ。」




…恐らく佳主馬くんは
こっちを向いている。


私が望んだこと。


でも、まだ足りない。


あぁ、私って
なんてドSなんだr----












ドサッ











「何で無視すんの。」



目の前には佳主馬くん。
背景は天井。


この状態は…押し倒されてる-



「だって佳主馬くんが…」


「僕、今めちゃくちゃ
怒ってるんだよね。」




「ご、ごごめんなさい!」


「いいよ、許してあげる。」



「ホント!?「ただし、
条件付きで。」」



え??



「じ、条件?とは?」



「これから、
僕のゆうこときいて。」




「し、仕方ない…
何すれば良いの?」


すると、佳主馬くんは
私から離れて
机の横に置いてあるものを
あさりだした。




「まずは…これ。
これつけて『ご主人様』って
言ってみてよ。」



「ま、まずはって何?!
って、うさ耳?!
どうしたの!?そんなもの!」



「覚えてないの?
僕にこれつけて
『キングカズマだ!』って
喜んでたくせに。」



「あぁ、そんなこと
あったねぇ…」



「はい、つけて。」



「でもご主人s「許さない。」
すみません、やります。」


佳主馬くんの前で正座をし、
うさ耳を装着する。


は、恥ずかしい。



俯いたまま、ご主人様…と
呟く。


「ダメ、こっち向いて言って。」


恥ずかしくて見れない。

うさ耳のうえにご主人様って
究極のバツゲームじゃないか。



………。


もう、どうにでもなりやがれ!
と、言わんばかりに
顔上げる。


「ご、ご主人様!!」



……。



大火傷だ。




すると佳主馬くんは
目を反らそうともせず
顔を真っ赤にして
さ、最高。と呟いた。



思わず顔が焼けるように
ボッ、と熱くなる。




「次は…」

「まだやんn「うるさい。」
…はい。」



『まず』と言っていた時点で
まだ何かをやるのは
わかっていたけど、
流石にきつい。



できるだけ…楽なのを。











「…ちゅぱちゅぱ。」
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