納戸

□エスカレート
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ん??



「今、なんて??」


「だから、ちゅぱちゅぱ。」



と、言って
ピッと指をつき出す。



「ほら、よく
『カズマたん指ちゅぱちゅぱ』
とか言ってる人いるから
どんなもんかなって思って。」


「あぁ、いるよね、
そうゆう人…。」


「はい、早く。」



「さ、流石にそれは
きつ「早く。」…はい。」



私は恐る恐る
佳主馬くんに近づき
そのまま前に傾き
佳主馬くんの指をくわえる。



自分でも耳まで赤く
染まっているのがわかる。

ゆっくり体を前に傾け
指の付け根までくわえる。

徐々に佳主馬くんに近づき
指に舌を這わせる。



すると佳主馬くんから
あっ、と甘い声が漏れる。


恥ずかしくて佳主馬くんの
顔が見れない。



でもなぜか止められなくなる。


次は指をしゃぶってみる。
ちゅっちゅっと音をたてて
佳主馬くんの指に
私の口内が吸い付く。


「あ、ちょ、ちょっと!
希輝!もういいから!」


佳主馬くんの必死な声が
よけい止められなくする。





指に舌を絡め続けると
佳主馬くんに前髪を捕まれ
動きを止めさせられる。



そして私の口から
ゆっくり指を抜き取られ
んぁっ、と声を出してしまう。



「バカ希輝!
ぼ、僕を誘ってるの?!」



その声にハッとして
我に帰った。






----何やってんだ私!





目の前には涙目で
顔を真っ赤にしている
佳主馬くんがいる。



「ご、ごめんなさい!!
か、佳主馬くん!
こんなことするつもりは
なかったの!…佳主馬くん?」



息が荒い。
私、本当に大変なことを
してしまったかもしれない。



はぁ、はぁ、と息を荒げて
私に迫ってくる。




---ゴンッ




…壁だ。
逃げられない。



「僕、本気になっちゃうよ。」



「ご、ごめんね!!本当に!!」


「もう、ハァ、遅いよ。」


私の後ろの壁にダンッと手をつき
首筋にキスをされる。


「んぁぁっ!!か、佳主馬くん!」


「ハァ、かわいいよ…
どぅにかして
あげたくなるじゃん…ハァ」

「な、なに言ってん------」


深い、深い短いキス。
それを何回も重ねられる。



「んぁ、あ、か、かずまくんんっっ、苦し…んぁ」



もはやまともに喋れない。


すると、ゆっくり口を離した。


「ハァ、い、今すぐに
希輝を僕のものにしたい…」

と言いながら私に抱きつく。


してほしい。
でも、まだ怖い。



「佳主馬くんは…
私のこと、好き…?」


「当たり前でしょ。
好きでもない人に
こんなことしないし、
こんなこと言わない。」


「でも、
…いつも無視してたじゃん。」


「だって…
ばれるのが怖かった。」



「何が?」



「ぼ、僕が…
ここまで変態なこと…」



「あぁ…
正直びっくりしたかな。
でも普通に話せば
問題ないんじゃ…?」



「だって!!
密室に2人きりだよ!
我慢できるわけないじゃん!」


「あ、そっか。」



「希輝は…
僕のこと好き?」


「うん…大好き!!」


顔を真っ赤にして
目を見開いて驚く佳主馬くん。



心の底から大好きです。


たとえ、どこまで行動が
エスカレートしても。



「佳主馬くん、大好き!」


「もう!本当バカ希輝!!
どうにかしたくなるじゃん!!」


「え、また何いっっんぁ!!」



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