心拍数
□第一話
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僕の心臓は
気まぐれでわがままで自分勝手で
ものすごく意地悪だ。
大切な時に限って
意地悪をしてくる。
小学校の時の運動会。
めったに僕を見てくれない父が、
運動会を見に来てくれた。
徒競走で一番をとる約束だった。
なのに。
発作がおこって、結局、
走れもしなかった。
中学校のサッカー部の試合。
折角、レギュラーになれて、
はじめての大きな大会だったのに
前日に倒れて、出られなかった。
あと、五年。
十年。
生きて居られるかも、わからない。
僕は
自分の心臓が嫌いで
自分が、大嫌いだ。