心拍数
□第二話
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それは、昼休みだった。
「ごめん、奈月ちゃんの幼馴染の子だよね。
奈月ちゃんいる?」
「…いますけど…」
急に教室の外から話しかけてきたのは、
あの小林先輩だった。
「あっ、小林先輩♪
待たせちゃいましたか?すみません!」
奈月が、嬉しそうに駆け寄ってくる。
「奈月ちゃん!夕紀でいい、って言ったのに(笑)」
小林先輩は、気さくに話しかける。
これだけみたら、とても良い先輩で、
優しそうに見える。
皆にも好かれてそうな雰囲気だ。
でも。
僕は、一瞬で、この人が嫌いになった。
奈月ちゃん?ふざけんな。
…気持ち悪い。やめろ。
お前が、そんな風によぶな、って。
僕は、奈月の事なんか、
何とも思って居ないはずなんだ。
でも、
こんなにムカついて、
こんなにイラつくのは、何でだろう。
だけどやっぱり、
奈月は…、小林先輩が…
「じゃあ…。 夕紀先輩…?///」
はずかしそうに俯きながら言う姿を見て。
嬉しそうに笑う姿を見て。
ああ、やっぱりこの人には、
敵わないのかなって。
この人に敵わないから、
だから、僕の恋も叶わないんだろう。