短編
□トリック オア、トリート?
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今日は待ちに待ったハロウィン。
子供たちは大はしゃぎだ。
「おねぇちゃん!おねぇちゃん!
見て見て、僕達 ドラキュラなんだよ!」
「おー、凄いですね?」
「だから、お菓子くれないと血吸っちゃうぞー!ガオー!」
「イタズラされたくはないので、差し上げますね♪
では、少しお待ちください」
「「はーい!」」
ーーーーー
−−−
「はい、ご要望のお菓子ですよ」
「うわぁ! すごい、シフォンケーキだぁ!」
「ねぇねぇ、これって本当に僕らが食べていいの?」
「えぇ、良いですよ?
だって、今日は子供が楽しむ日じゃないですか」
「じゃぁ、いただきまーす!」
「いただきまーす!」
<パクパク、モグモグ>(子供たちが、ケーキを頬張っている)
ホント、子供は素直だ。
なのに 何故だ?
「・・・・」<ムッスー>
何故、この人は こんなに素直じゃないんだ??
「翡葉さん、欲しいんなら 作りますよ?」
「・・・いらねぇ」
「・・・ハァ」
子供が来るまえから、この部屋の戸の所に突っ立っている翡葉さん・・。
寒くないのか?
「翡葉さん、外は寒いんで 中に入ってください。あと、そこに突っ立ってられると邪魔ですので」
「・・・口だけは達者だな、馬鹿女」
「馬鹿で結構です」
「翡葉にーちゃんも一緒に食べよー!」
「いや、俺は良い。お前たちで食べてろ」
「はーい・・」