〜誠の武士達〜

□少女の予感。
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「で、どうだった?」


「ふぇ?」


縁側でお団子を食べていた私の隣に、腰を下ろす土方さん。


「あいつ・・・・雪村のことだ」


「ん?・・・あぁ」


私が見た記憶のことだと気づく。


「んー・・・、土方さんは知ってると思う。全部」


ピー本目のお団子に手を伸ばす。


ん?そんなに食べたら太るって??


大丈夫。稽古で痩せるから。


「ま、あれはあの子のためにも言わない方がいいのかな」


「あれ?」


土方さんが思いっきり怪訝な顔をした。


「いつかわかるよ」


最後の一本をほおばる。


「あの子と出会うことは、必然的な運命だから。
 私たちの運命はアレのせいで狂い始めてた」


「アレってのは・・・」


「今土方さんが思ってる通りのもの」


「!!・・・・そうか。すまねぇな」


土方さんの表情が曇る。


「なんで謝るの?」


「俺たちといるせいで、嫌なもんばっか見てるだろ?」


「“時詠み”のこと?」


土方さんは無言で肯定を示した。


あぁ、心配してくれてるんだなってしみじみ思う。


無言で土方さんに抱きついた。


なんか焦る声が聞こえたけど、無視。


「たしかに、未来を見るのは怖いよ。だけど、それでみんなが
 助けられるのなら全然平気。だから、ね?」


そんな顔しないで。


土方さんの眉間を小突いた。


「ったく・・・・お前には敵わねぇな」


土方さんが笑ったから、私も笑った。


そう、その顔が見たかったんだよ。


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