〜誠の武士達〜

□意外な強さ。
1ページ/5ページ

数日は何事もなく過ぎていった。


澪はというと、いくらか笑うようにはなってきた。


でもたまに、自室にこもることもしばしば。


いつものように皆で広間で食事をとっている最中、


静かに板戸が開き、旅装束も解かぬままの土方が入って来た。


「今、帰った」


「副長、お疲れ様でした」


何故か、山南の姿が見えない。


「トシ、山南くんはどうしたんだ?」


近藤の問いに苦笑する土方。


「俺達が帰ってくるなり、門前で待ってた澪が山南さんから離れなくてな・・・・。

 先に部屋に戻ったよ」


近藤の表情が苦いものに変わる。


「・・・で、土方さん。山南さんの怪我の具合はどうなんですか?」


「・・・・・まだ何とも言えん」


沈黙が広がる。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ