〜誠の武士達〜
□意外な強さ。
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数日は何事もなく過ぎていった。
澪はというと、いくらか笑うようにはなってきた。
でもたまに、自室にこもることもしばしば。
いつものように皆で広間で食事をとっている最中、
静かに板戸が開き、旅装束も解かぬままの土方が入って来た。
「今、帰った」
「副長、お疲れ様でした」
何故か、山南の姿が見えない。
「トシ、山南くんはどうしたんだ?」
近藤の問いに苦笑する土方。
「俺達が帰ってくるなり、門前で待ってた澪が山南さんから離れなくてな・・・・。
先に部屋に戻ったよ」
近藤の表情が苦いものに変わる。
「・・・で、土方さん。山南さんの怪我の具合はどうなんですか?」
「・・・・・まだ何とも言えん」
沈黙が広がる。
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