〜誠の武士達〜

□羅刹。
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元治元年、十月。


その夜は新しく、新選組に参謀として加わるべく上洛した伊東甲子太郎という人のために

歓迎の席が設けられた。


「いやぁ、愉快愉快。隊士が増えるのは嬉しいものだ。

 それが有能な人材なら尚更」


「まぁ、そんな。ほほほ」


かなりの近藤さんの上機嫌ぶり。


と、いうか・・・・・何この人!!


男だよね?男なんだよね!!?


気持ち悪い・・・・っ!!!


だけど、そんな感情を全面に出せるはずもなく。


にこにこ、にこにこ。


常に笑顔を絶やさないように・・・・って、無理だ!!


トシに目で訴えると、苦笑された。


そんな中、伊東さんの視線が私を捕らえる。


「あなたは・・・・紹介がまだですわね。お小姓の方かしら?」


『お小姓』っていうのにむかついたけど、


『ですわね』って何だ!


あぁ・・・鳥肌が・・・。


「いえ、新選組副長助勤を務めております。・・・さくら澪と申します」


最上級の笑顔付き。


あー・・・顔引きつりそう。


て、あれ?伊東さん・・・・?


視界の端でトシがしまった!という顔をしていた。


「そう・・・さくら、澪さん・・・・」


「い、伊東さん・・・・?」


すると、がしっと腕を掴まれて


「なんて、綺麗なお方!!!私、あなたのこと気に入ったわ!」


「へ・・・?」


これからいろいろと面倒くさくなりそう。

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