モブ子

□私はモブ子...のはずなのよ!
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こんにちは!うふふ、私は誰かって?どこにでもいる平凡少女、すなわちモブ子でーっす!
身長、体重、学力に至るまで全て平均な私にはぴったりでしょ?
ただし1つだけ他とは違う所があるの。それは...腐女子だということよ!!なんて言ってみたけど、そんなの珍しくないわよねー、だってこれ見てる人みんなそうでしょ?なーんて、テヘペロ。
まぁ私のことはこれくらいにしておいて、今から私のオカz...げふんげふん、癒しについて紹介します!
私達のクラスの有名コンビ、高尾くんと緑間くんよ!あの2人は同じバスケ部所属、席は前後、休み時間には真面目に予習に勤しむ緑間くんにわざわざ後ろを向いてちょっかいをかける仲なの!
これはもう妄想するしかないわよね!でもまぁ2人のために言っておくとあの2人付き合ってはないのよ。ちっ、付き合えや。おっと心の声が。まぁ全部心の声ですがねwwまぁそんなホモにしか見えない2人を見守りながらあんなことやこんなことすればいいなーなんて考えてるわけで。

キーンコーンカーンコーン

あ、授業が終わった。授業中だったのかよって突っ込みはなしね☆

おーっとまたもや高尾くんが後ろを向いたー!なんと私の席は緑間くんの後ろ!本を読むふりをしながら2人をガン見!マジで<〇><〇>状態だよね。羨ましいだろ、フハハハハ。

羨ましがってる皆さんのために実況をすると、予習のためにノートを開いた緑間くん。そのノートに落書きをしている様子の高尾くん。それをやめるように言いながらなんだかんだ許す緑間くん。書き終わったようで、緑間くんに顔を向け、ニッと微笑む高尾くん。それを顔は見えないが多分不快そうな顔して高尾くんの顔面を殴る緑間くん。いつも通りのその光景をニヤニヤもといニコニコしながら見ていた。
が!そこで事件が起こったぁぁぁ!!

キーンコーンカーンコーン

と次は授業の始まりを告げるチャイムが鳴り響いた。
ごめんごめんと笑いながら顔を前に戻していこうとしたとき、少し切なそうな顔の高尾くんが見えたんだぁぁぁ!
そしてさらにさっきまで多分不快な様子だった緑間くんの耳が赤く染まっているのが見えたんだぁぁぁ!
そしてちらっと見えたそのノートには好きだよの文字がぁぁぁ!
これはまさかのktkr展開じゃないですかぁぁ?マジなパターンじゃないてすかぁぁ?まぁもしそうだったとしても私に出来ることはないのだが。
だが、だけどだ!私だって腐女子である前に人の子だ。彼らの純粋な想いが報われるように手助けしたいと思った。断じて妄想の材料が増えるからなんてことは思ってない。断じてだ!そこで私はどうやってアシストしようかとずっと頭を悩ませていた。
気付いたら授業なんて終わっていて、帰りのHRの時間だった。
そこでも担任の話なんて、これっぽちも聞いていなかったが。
HRも終わり、帰るため、部活に行くためとみんな教室から去っていった。
それでも私だけは教室に残り、まだ考えていた。無い頭を使いすぎて疲れた。ふと時計を見ればおっとこんな時間、もう帰んないと親に怒られるーな時間になっていた。もう帰ろうかと思ったその瞬間。

「あれ、佐藤さんじゃん。こんな時間まで何よりしてんのー?」

おぉ!?なぜに高尾くんが!?そして今更だが私の名前は佐藤愛。名前まで平凡とか泣けてきた...

「あーっと私は考え事的な感じだと思われるんですが、はい。」
テンパりすぎだろ、自分!日本語どした!?
「そなんだー。」
流してくれたのか!?そっちの方が痛い!
「た...高尾くんこそどうしたの?」
「あ、俺はさ忘れ物取りにきたんだよねー。ほら、これ今日の宿題だったじゃん?」
「なるほど!部活お疲れ様。」
「ん、サンキュ。」
私、今、普通の、会話が、出来てる!ヤッフーー♪
とか思ってしばらくお互いに無言になっていたその時、高尾くんが緑間くんの机を見て、また切なそうなな顔をしていた。
「高尾くんてやっぱり緑間くんのこと好きなんだ!」
...........って私何言ってんだぁぁ!!?
「えっ...」
高尾くんが困ってる可愛い!...とか思ってる場合じゃねぇ!どうすればいいの!?
「あっと...ごめん!」
私は逃げた。あれは過去にないくらいの最高のダッシュだ。ついでに高尾くんは追いかけてこない。まぁ体育会系でもない私の体力がそこまで続くはずもなく、玄関で力尽きた。
そして靴を履きながらひたすら考えた。

明日どうすればいいの!!!??

やっばい。マジでやっばい。どうしよ、どうしましょ、どうしたら!?マジで神様お願いしますよ。どうしてこんな運命にしようとか思ったんですか。何が望みですか。私の破滅ですか。破滅なんですね。そうですか、そうなんですか!!?おおおおお落ち着け、私。
でもマジで一体どうしたら。

そんなこんなで私の頭で解決策がでるはずもなくシャワーを浴びて、速攻布団に潜った。

なんとかなるわ!!つーかなんとかしないと!!という結論に達し眠りについた。

翌日だ。
学校逝きたくねぇぇぇ!字間違ってるって?当っとるわ!!
おい、マジで昨日の自分どうしたんだわ。なんとかなる、じゃねぇよ!ならねぇよ!もうあれか。ズル休みでもするか!
「愛!あんた早く学校行きなさい!」
ですよねー。そうなりますよねー。こうなりゃやけだ!とことん無視きめこんでやらぁ!

「佐藤さん、ちょっといい?」
だよね。私が無視きめこんだところで、あっちが無視してくれる訳ないですよね。知ってましたよ。そんなこと。ウウッ

連れていかれたのは屋上だ。
沈黙。何か喋って!いや、喋って欲しくないけど、こんな状況つらすぎる!
「あのさ...」
ビックゥゥゥ
「はい!」
おぅふ。何元気よく返事してんだ、私!
「いつから...」
「へ?」
「いつから気づいてたの...」
What?なんだって?聞き間違いか?あや、そんなはずないよな、うん。ていうかやっぱマジだったぁぁ!やったぁぁぁ!...じゃねぇ!え、いつからって答えなきゃだよな!?
「昨日の朝...」
ずっと前から望んでましたが、マジだと気づいたのは昨日だったよな!
「...なんで?」
これも正直に!?嫌だなぁ...でもなんか高尾くんて嘘通じないような気がする。ハァ...........
「昨日見ちゃったんだ。緑間くんのノートに好きって書いて、怒られて悲しそうな顔してるの。」
「!?そんだけで分かったの?」
.....まぁ確かにそうだよな。そんだけで普通分かんないよな。でも、何度も言うが望んでたからな!
「うん。」
「...ハァ上手く隠してるつもりだったんだけどなぁ。」
「いや、すっごい、上手かったよ!全然今まで気づけなかったもん!」
て何フォローしてるんだろ?うん、でもめちゃ上手かったんだもん。ずっと見てきたのに全然分かんなかったんだもん。
「そっか。ありがと。」
きょとんとしたそう言ってくれた。優しいな、おい!あ...
「やっと笑った。」
「へ?」
また勝手に口がぁぁ!
「フッブハハハハハハ」
「へ?えっと...」
どうした!?壊れた!?
「ごめん、確かにそうだわ。ありがと。ごめんね、変な顔してて。」
「全然!笑ってなくてもイケメンでした!」
だから、私おい!
「なんじゃそれw」
でもまぁ良かった。いつも通りに戻ってくれて。
「あ...あの!」
「ん?」
「緑間くんのことは誰にも言わないから安心して?」
「ほんとにありがと。」
「ううん、心配してたのはそれだよね?」
「まあ...ね。ほら、あんま言えないじゃん。男好きとか。ていうか今更だけど、佐藤さんひかないの?」
「へ?」
「だって普通じゃないじゃん?」
「普通じゃなくたっていいの!普通じゃなくて何がいけないの!?ていうかあれだよ!誰を愛そうが自分の勝手じゃん、それに法律で結婚できないだけで、別に愛しちゃいけないなんてないし!他人の目とかそんなもの全然気にする必要ないと思う!!」
何熱弁しちゃってんだ、私ぃぃぃ!!だっていつも思ってたんだもん!ホモの何が悪いんだって、だからぁぁぁ!!「...っ」
え?高尾くん泣いてる?
「あ、どうしたの?」
私なんかまずいこと言っちゃった!?
「ごめん、そんなこと言ってくれるなんて思ってなくて...」
まずった訳ではなさそう。良かった...
でも、私に顔見せたくないみたい。ま、そうだよね、男の子だし...
「私、先に戻ってるね。」
そう言い残して去ろうとしたら手を掴まれた。
「待って!」
「どうしたの?」
「あ...のさ、相談とか乗ってくんない?」
「へ?」
「このこと知ってるの、佐藤さんだけだし。後、さっきの言葉めっちゃ嬉しかった!だから...これからお願いできないかな?」
涙目でそんなこと言われればズッキュンな訳で、それにだ!
ホモをこんな間近で見れるんだぞ!しかも前々から注目していた、2人の!そして、人として応援したいと思っていたのだ!そうなれば断る理由なんかないわけで、答えは
「私でよければ。」
になるわけだ!必然的に!!
頑張っちゃうぞ☆
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