悪魔と天使

□君は悪魔であんたは天使で
3ページ/3ページ

全てを見渡せるまで天へと来た彼ら。
彼らは顔を見合せ微笑んだ。
そして2度目のキスを交わした。
その瞬間更なる光が氷室の体から放たれる。
上級天使・悪魔たちは我に返り、己たちが何をしでかしてしまったのかを悔いた。
大天使・魔王は人間たちの命の大切さを理解した。
あぁなんて綺麗な光なのか。
全てを浄化する希望の光。

そんな中、氷室の体は早くも朽ち始めていた。
そして紫原の体も消え始めていた。
下にいる悪魔たちは何故無事なのかというとはるか下だからだとしか言い様がない。
効力が薄まっているため消えずにすんでいる。
しかし紫原は隣で直接その光を受けている。
氷室は限界を越えた力を出し続けているがためのもの。
「敦...前に言ったこと覚えてる?」

『あ、ねぇ敦知ってるかい?』
『何をー?』
『"俺たち天使と悪魔は生まれ変わったら人間になれるんだって。"』
『そうなの?』
『うん。だからまた人間として会えたらいいね。』

「覚えてるよ。」
「また会えるかな...」
「会えるに決まってんじゃん。」
「そうだね。」
彼らは泣いていた。ただ泣いていた。
どうか、どうかまた会えますように。
彼らの願い事はただ1つ。
最後に顔を見合せ彼らは笑った。泣きながら笑った。
そうして彼らは消えていった。
天界と魔界を救った彼らの名はこれから受け継がれていくこととなる。
それからは天使も悪魔も助け合いながら生きてく世界となるそうな。



「君、バスケ上手いんだね!」
「は?あんた誰?」
「ん?俺は氷室辰也。」
「紫原敦。」
「ところでさ、何処かで会ったことないかな?」
「は?いきなり何言ってんの?」
「なんだかとても懐かしい気がするんだ。」
「意味わかんない。」
何故か2人の少年の瞳からは涙が流れていた。
ねぇどうして?


(敦...........)
(ん?)
(大好きだよ。ずっと...)
(俺も大好きだよ。)
(またね。)
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ