Short★book

□カボチャの夜の2人の秘密
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〜赤降〜
ピンポーン
「久し振りだね、光樹。」
「なんでここにいんのー!?」
今目の前にいるのは、間違いなければ征十郎だ。というか間違いない。
「なんでって今日はハロウィンだろ?」
当然といった顔でそんなこと言われても俺にはさっぱり分からない。
「ハロウィンだからってわざわざ京都から来たの?」
「そうだが?」
どうしよ、マジで意味分かんない。
「嬉しくないのか?」
明らかに不機嫌なる声。
意味分かんないこと言って急に来られて嬉しい訳...あるに決まってんだろ!
中々会えないんだぞ!?
めちゃめちゃ会いたかったから、めちゃめちゃ嬉しいわ、ボケ!!
「嬉しいに決まってるよ!」
「そうか。」
声が柔らかくなった。
「とりあえず中入って。」
「迷惑じゃないか?」
ここまで来といて何言ってるんだか。
「親どっちも出張中なんだ。」
「そうなのか。それは都合が良い。」
「?」
「あぁ、こっちの話だ。」
ま、いっか。
「で、ハロウィンだからってどうしたの?」
ぶっちゃけ意味が全く分かっていなかった。
「あぁそうだった。じゃあ光樹。」
「?」
「Treat and Treat」
「は?」
「Treat and Treat」
え、ちょっと待って。
「...Treat or Treatじゃなくて?」
「いや、Trick and Treatで合っている。」
いやいやいや
「どういうこと?」
「つまり、甘い物を寄越していたずらさせろって言ってるんだ。」
いやいやいやいや
ますます訳分からんわ!
「...とりあえずお菓子あげればいい?」
「いや、どちらも同時に行う方法があるだろ?」
ドサッ
「ねぇ、光樹?」
俺は今ベッドに押し付けられてるわけで。
おそらく甘い物が俺で、いたずらがこれな訳で。俺甘くねぇよぉぉぉ!!!そうか、そのために来たのか。
ていうか別に今日じゃなくたって来てくれたらいつだって...///
なんて絶対言わないけどさ!!
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