Short★book

□素直ですから
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「...なんでここにいんの?」
玄関を開けて目に入ったのは赤色だった。
「昨日言っただろう。」
そうあれは昨日の出来事だった。

「テスト?へぇ光樹は僕たちより遅い時期なんだね。」
週に何度かの電話の時間。
降旗はテストについて話していた。
「そうなんだよ。なんか今回ヤバそうでさ...」
「じゃあ僕が教えてあげるよ。」
突然言い出した赤司の一言に驚いた降旗だったがすぐに戻り
「そうしてほしいけどさー征十郎、京都じゃん。」
「いや行くよ。」
「おーありがと(笑)」
と、軽い冗談のつもりで会話していたのだか。
翌日ピーンポーンと音がして冒頭に至る。

「いや、マジで来ると思ってなかった。」
「恋人が困っているんだ。当たり前だろう?」
その一言にカアァッと頬を染める降旗。
その様子に満足した感じの赤司。
「...とりあえず上がって。」
表向きはこまった様であるが、内心はとても嬉しいのである。
『会うの久しぶり。』
赤司は普段京都にいる。さらにお互い部活も忙しい。もちろん休日もすくない。そんな彼らは何ヵ月かに1度のペースでしか会うことができない。
『やっぱ嬉しい...な。』
自分のために来てくれた。
それは降旗にとって何よりも嬉しいことであった。

「どうぞ。」
降旗は自分の部屋に赤司を案内し、招き入れた。
「来るのは久しぶりだね。普段も片付いているんだ。」
「...征十郎が来るときはもうちょっと片付いてるよ。分かってたら掃除したのに。」
今回、約束なし...というか約束はしたのだけれど降旗が信じていなかったためにこういう事態となった。
「構わない。それにこれでも十分に綺麗だよ。」
そう言って微笑む赤司。
降旗は反対に溜め息を溢していた。
「座って。」
「あぁ。」
そうして始まるテスト勉強の時間。
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