Short★book

□熱の夢に浮かされて
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「どうしてこうなったんだ・・・ゲホッゲホッ」

明日は征十郎の誕生日!親に無理言ってなんとか京都に行けることになったし!!
あー本当に楽しみだな...
会うの1ヶ月ぶりくらいだもんな....
やっべぇにやけ止まんねぇや...
早く明日にならないかな!

そして翌日。
12月20日のことである。

『なんか頭だるい..?気のせいか...』
そう思いながらも顔を洗おうと階段を下り、1階に向かっていく。
「おはよー」
母親がそれに返事を返そうと降旗の方を向いて、一瞬固まった。
かと思ったら降旗の目の前まで来ておでこに手を当てた。
「あんた、熱あるじゃない!」
「は?」
「体温計で測ってみなさい!」
言われるがままに渡された体温計を手に取り腋に挟む。
しばらくしてピピッと測り終えた音がした。
「38.7度.....」
降旗はポカーンと口を開け固まっていた。
「あんた今日は学校休みなさい。」
「え...もしかして.....」
「京都も今日は行かせません!当たり前でしょ!?」
先程まで呆けていたのが嘘のように降旗は叫びだした。
「絶対やだ!こんくらい平気だってば!!」
「そんなはずないでしょ!」
「やだ!行くったら行く!!」
と親子喧嘩が始まってしまった。
「あんた京都に友達に会いに行くんでしょ!?その子に風邪うつす気なの!!?」
その一言で母親の勝利に終わった。
「うっ...」
「早く2階行って寝てなさい!!」
そのままトボトボと再び階段で2階へと上がって行った。

from赤司
ごめん。今日熱出て行けなくなっちゃった...また今度会いに行くよ.....

と簡潔に赤司へとメールを送った。
「はぁー........」
ため息が自然と溢れる。
『あ、やばい...頭くらくらしてきた....さっき声出しすぎたかも......』
『あーあ、征十郎に会いたかったな...会えるのいつになるだろ....』
『征十郎だったらきっと自己管理が出来ていないからそうなるんだ。スポーツマンとして失格だな。とか言いそうだな...』
クスッと口から音が漏れる。
『あ、やばい...眠い......』
スゥースゥー
彼の部屋には彼の寝息だけが響いていた。
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