Short★book
□突然に
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〜木花〜
「なぁ花宮。」
今、彼らは木吉の家にて雑談中である。
「んだよ。」
「明後日クリスマスだろ?なんかするかー?」
いつものようにニコニコしながら花宮に尋ねる。
「別になんもしなくていいんじゃね?」
ぶっきらぼうにそう答えれば
「そっかー。じゃいっか!」
そして2日後。12月24日。
花宮邸。
ベッドで枕に顔を埋める男が1人。
なんで俺あんなこと言ったんだろう!?
あー素直にしたいって言えば良かった...
つーか木吉も木吉だよ!俺ならあぁいうっていうことくらい分かれよな!
もっと強引にしようくらい言ってもよくね!?
.....何やってんだか。
わざわざ予定を空けていた花宮はすることもなくベッドで自分や木吉に対する不満をブツブツ唱え、足をバタバタしていた。
ピーンポーン
そんなことをしていると家のチャイムが鳴った。
『こんなときに...セールスとかだったらどうしてくれようか.....』
最高に苛立っていた彼はドスドスと音をたてながら玄関まで向かって行った。
「...はい。」
不機嫌そうに扉を開ければ、そんな花宮とは正反対の笑顔を振り撒いた木吉がいた。
「よっ!」
「なんで.....」
驚きで開いた口が塞がらない状態になってしまっている。
「やっぱなんかしたいなって思って!」
「...しょうがねぇから付き合ってやる。」
嬉しそうに顔を緩めたのは一瞬で、すぐに顔を元に戻して準備をするため中へと戻っていった。
その様子を見ていた木吉は1人微笑んだ。
「まったく...素直じゃないなぁ。 」
準備をしながらまた顔を緩ませている花宮。
「やっぱ木吉は木吉だよなぁ。」
『『そんなところが大好き。』』
どうやら考えることは同じなようで。