Short★book
□星に願いを
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飛行機の中。
小さな窓から空を見上げる。雲の上を飛んでいるからだろう。星がよく見える。けれど地上から見える星と大きさはあまり変わらない。
つまらない。
はやく、はやく。
鼓動が高鳴る。それと同時に気分は憂鬱。
朝日がさしてきた。
眩しくて少し目を細める。
直視できないくらいに眩しいそれは僕には酷く毒だった。
沖縄。
両親から教えてもらった交通手段を頼りに、少し観光してまわる。
夏ではないからだろうか。人は少ない。
海だ。
違う。
海だ。
違う。
海だ。
違う。
僕の見たい海はこんなんじゃない。
ただ歩いた。海を探して。
変なの。横には海が見えるのに。
海を探しているなんて。
透き通るスカイブルーの海。
光に反射して輝く海。
波打つ音が心地よい海。
向こうに見える島が幻想的に見える海。
どれもこれも違うんだ。
僕の探している海じゃない。
じゃあどんな海を探しているんだ?
分からない、見てみないと分からない。
歩く、歩く。
ただ歩く。
どこにある?どこにいる?