女装しなきゃいけない赤司様!

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もうすぐ2年が過ぎようとしていた。
タイムリミットはすぐそこである。
「やはりもう...限界か.....」
「...........」
もう真実を、征華はいないのだということを話してしまった方がいいのではと話は固まり始めていたた。
ある日のことである。
真っ赤であった征十郎の瞳の1つが橙色に変色したのである。
それは征華の瞳の色と同じものであった。
『そうか...征華は僕の中にいるんだね?』
『だったら.....-------------』

今日が征華の帰国予定日である。
「やっと帰ってくるのね。長かったわ。会えるのが楽しみね、あなた。」
「あ...あぁ。」
そっと息を飲み、彼が全てを口にしようとしたその時。
扉が開いて、中に人が入ってきた。
その人を見た父親は話すことができずただ口をあんぐりと空けていた。
「ただいま戻りました。お母様、お父様。」
「あぁ...おかえりなさい。征華。」
目の前にいたのは征華だ。
ありえない。なんで。そんな言葉は彼から出てこなかった。
いや、出すことなどできなかった。
「早速で悪いのですが、お父様。少しよろしいですか?」
返事をする間もなく征華に連れられて彼は部屋を後にした。
「お前は........」
征華はあたまに手をやり、髪いやウィッグを取った。
「僕です。征十郎です。」
「征十郎?何故.....」
「僕が征華になります。」
父親は初め、反対の言葉を述べようとした。
しかし、それは声になることなく消えた。
「...頼んだぞ。」
結局は彼も母親、つまり自分の妻にあたる、彼女に傷ついて欲しくなどはないのだ。
「はい。」

この瞬間、征十郎は女装しなければならない運命となった。
全てはここから始まった。


『だったら、僕が征華にでも道化にでもなってやる。』


夢は終わり。
さぁさぁお目覚めくださいな。
目が覚めたらあなたはどんな顔をするのでしょう。
悲しいですか?
苦しいですか?
つらいですか?
一体側には誰がいますか?
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