novel
□羨ましい
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「マスルール、君って凄いよね」
「…?」
俺はマスルールが羨ましい
俺よりも年下なのに、俺よりよっぽど強いし素直だしみんなの役に立ってる
…俺のいる意味が無くなっちゃうくらい
「シンも俺なんかよりもマスルールの方が必要だと思うよ」
「そんな事ないっす」
「ううん、絶対そうだよ…俺はいつか捨てられるんだよ」
マスルール、俺はお前が羨ましくて、憎いよ
「ジャーファルさん、俺、ジャーファルさんに文字の読み書きとか教えてほしいです、俺では細かい作業はできません」
「…それはシンができるよ」
俺にしか出来ないことなんてないでしょ?
「俺はジャーファルさんに教わりたいんです、シンさんもあまり器用じゃないです」
「…(おいおい)」
「シンさんがもしジャーファルさんを捨てようとしても、俺がさせません」
「…どうしてそこまで言ってくれるの?」
「ジャーファルさん、お兄さんみたいで大好きだからッス」
「…!!」
なんだこいつ、本当にいい子だな
マスルールに嫉妬してた俺馬鹿みたいじゃん、つーか馬鹿だ
思わず笑ってしまった
「マスルール、お前は本当に優しいね」
「ジャーファルさんほどじゃないです」
「…ありがとう、あとごめんな」
「…ッス」
変に嫉妬なんかしないで素直に仲良くすればよかったよ
本当にいい弟分を持ってしまった俺は幸せ者だな…なんて