ショウセツV
□見失った、見つけた
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「いい時に来た」
いつもとは違う反応
突然現れたカイに口端を吊り上げて笑うソル
構えた封雷剣を降ろす
敵意の無い相手に剣先を向けられる性格ではない
―一軒の屋敷
広い玄関に綺麗な絵画
自分を此処に連れてきた相手からは連想出来ない風景
「ソル…これは一体…?」
何も言わず、つれられて来た豪邸
カイは把握出来ず、顰めた表情を相手に見せた
「詳しい話は後だ、ま 人助けだと思って加勢してやれ」
「なっ!何故私が貴方を助けなきゃいけないんだ!」
「…俺がお前みたいな坊やに助けを求めると思ってやがんのか?」
「ぇ、では…」
「ここの家主だ、俺じゃねぇ」
人助けと聞いて放っとく選択肢は消えた
カイはそれを自覚せず、ソルの後ろを付いて行く