ショウセツV

□恋人から発展しましょうか。
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「冗談じゃねぇ!!」

町はずれの丘の上
響く怒声にカイの表情が険しくなる

「何故だ、ソル!!いいじゃないか、それぐらい!!」

「ふざけンな!!他のヤツに頼め!」


「ん?何何、また喧嘩?」

たまたまそこを通りがかった二人の知り合いであるアクセルがどうしたの?と間に割って入る


「丁度いい…こいつを連れて行け」

「っ…どうしてもお前でなければならないんだ!!」

「ん?何か俺様ふられた?」

ま、頑張ってよ、と苦笑しながらその場を去る

アクセルの姿が見えなくなると同時、カイはソルの腕を両手で掴んだ

「ッうざってぇ…!!」

「だから、何故ダメなんだ、ソル…」


少し悲しそうな顔を見せる


「ーっち」


そういえば自分は昔からカイのこの顔が苦手だった気がする

「聞くが、何で俺じゃなきゃダメなんだ」


「ッ…そ、それは…」

「言えねぇようなら帰る」

「ぁああ!待って、待って…待って下さい、ソル…」





―事の始まりは町でカイがソルに声をかけた時で

「ソル…!」

「またテメェか…しつけぇな」

「違う、今日は違うんだ」

「ァ?」

「会えてよかった…」



ここでは、とカイがソルを半ば無理矢理に町はずれの丘まで連れてきた



「用があるならさっさとしやがれ」

「ま、まぁそう急ぐな…」

「帰る…」

「わ、分かった…言うから待って…」


「ー?」

「あの…その…わ、私のこ…」

「ぁン?」

「こ、こ、こここ…」

「早く言え」

「こ、こ…恋人…恋人…になって…ください」

「はァ?!」


「違う違う違うンだ!!!違うンだ、ソル!!」

「?」

「仮だ仮!…そう、仮だ」

「うぜぇな。どういう事かはっきり言え」

「細かいことはいいじゃないか!!ソル、とりあえず私の恋人になってくれ!!」




―とこの後すぐアクセルが割って入った。





「どういう事か話せないのか?帰るぞ」


「ぐっ…」

 
 
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