ショウセツV

□酔ってるけど
1ページ/6ページ





「何やってンだ、テメェ」



深夜
寂れた街の裏路地
その一角で営業するバー

薄暗く 良くない前科のある者たちが集う
今夜は普段よりは空いていて

見渡す限りでは半分も席が空いている


「―ソル?」


カウンターの隅
行きなれたバーに見慣れた顔

「坊やが来る所じゃねぇぞ」

「子供扱いするな、私だってこんな飲んだんだ」

指を三本立て 自分の隣に立つ男を睨む

「それだけで その有り様か…?」

「その有り様とは何だ」

「自覚がねぇ様じゃ…相当きてるな、もう帰れ」

「うるさいっ…お前には関係ないだろう、ソル」


頬周りを赤く染め
青い瞳を潤して


「一人で帰れねぇのか?」

「バカにするな…、後」

「…?」

「早く座れ」

「…何で俺がテメェなんかに付き合わなきゃいけねぇんだ」

「いいから付き合え」

「生憎、弱ぇ奴と飲むのは好きじゃねぇんでな」

「お兄さん!この赤い奴にもテキーラください」

「なっ…テメェ勝手に…」

「いいから、ほら、座れ」

「…ちっ」




 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ